配分額 *注記 |
10,200千円 (直接経費: 10,200千円)
1992年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1991年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1990年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1989年度: 6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
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研究概要 |
リドカインの肺血管収縮作用の機序を考えるには、肺循環を調節する因子について検討する必要がある。内皮依存弛緩因子(EDRF)により肺循環が調節されていることが示唆されたが、今回はアセチルコリン(Ach)に加え、プロスタサイクリン(PGI_2),イソプロテレノール(ISOP),ブラディキニン(BK)の肺循環に及ぼす作用を検討し、同時にEDRF阻害薬(N^G-nitro-L-arginine:L-NNA)の影響を検討した。犬を笑気-ハロセン麻酔下に開胸し、左肺上葉を切除し、左肺下葉と右肺との分離換気を行なった。左下葉肺動静脈に潅流用および圧測定用のカテーテルを留置し、もう一頭の犬(ドナー犬)の股静脈血をポンプを用いて一定流量で左下葉肺動脈に送血し、左下葉肺静脈からドナー犬の外頸静脈に返血した。この分離肺循環回路にAch,PGI_2,ISOP,BKを投与すると、左下葉肺動脈圧が低下した。Achの肺動脈圧低下作用は、L-NNA前処置により抑制された。BKの肺動脈圧低下作用は、L-NNA前処置により部分的に抑制された。PGI_2,ISOPの肺動脈圧低下作用は、L-NNA前処置により抑制されなかった。AchおよびBKの血管拡張作用にはEDRFおよびcGMPが関与しており、外因的に投与したAch,BKにより肺動脈圧が低下したことは、in vivoの肺循環がEDRFおよびcGMPにより調節されることを示唆する。また、PGI_2,ISOPの肺動脈圧低下作用はL-NNAにより抑制されなかったので、この反応はEDRFとは関係がないことがわかる。PGI_2,ISOPの血管拡張作用にはcAMPが関与しており、in vivoの肺循環調節においては、cGMPの他にcAMPも関与することが示唆された。今後、リドカインの肺血管収縮作用の機序を解明するにあたり、肺血管調節に重要な役割を果たすと考えられるcGMP,cAMPとの関連を検討する必要がある。
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