研究課題/領域番号 |
02806056
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用獣医学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
有川 二郎 北海道大学, 免疫科学研究所, 助教授 (10142704)
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研究分担者 |
吉松 組子 北海道大学, 免疫科学研究所, 教務職員 (90220722)
高島 郁夫 北海道大学, 獣医学部, 助教授 (30002083)
橋本 信夫 北海道大学, 獣医学部, 教授 (60082103)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1992年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1991年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1990年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 腎症候性出血熱 / ハンタウイルス / バキュロウイルス / ワクチン / マクロファージ / 単クローン性抗体 / 動物実験 / ウイルス感染 / マクロファ-ジ / 単クロ-ン性抗体 |
研究概要 |
1.エンベロープ蛋白上の中和抗体の誘導に関与する抗原は同時に感染増強抗体をも誘導することが単クローン性抗体を用いた研究によって明らかになった。さらに、感染の中和と増強は、作用する抗体の濃度に依存し、高濃度では感染を中和し、低濃度では感染を増強した。すなわち、ある特定のエピトープのみを含む抗原をワクチンとして用いても、感染中和抗体のみを誘導することは困難であると判断される。 2.高い病原性をもつウイルスの構成蛋白をより安全かつ効率的に精製することを目的に、バキュロウイルスを発現ベクターとして組み換えエンベロープ蛋白の調製を試みた。発現蛋白の抗原性は単クローン性抗体の結合能で判定する限り、本来のウイルスのものと区別することは出来なかった。しかし、中和抗体の誘導能は極めて低く、機能的な抗体の誘導には問題があることが明らかになった。 3.以上のような限界の存在下では、組み換え蛋白とアジュバントの組合せによって高レベルの中和抗体を持続させる試みが今後必要であると考えている。また、組み換えEnv.蛋白や組み換え核蛋白で免疫された脾臓細胞の移入によっても感染からの回復に有効であることがマウスを用いた実験感染で明らかになった。このため、細胞性の免疫の誘導も考慮したワクチンの開発が今後期待される。 4.本疾患の発症メカニズムとして感染個体の免疫応答の可能性が示唆されているものの未だ不明な点が多く残されている。今後、ヒトと類似した症状を発現する動物モデルの開発を通して本症の発病病理を明らかにすることが効果的な予防・治療法の開発にとって不可欠である。
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