Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
今年度は、前年に引き続き、以下の研究を行った。(1)自己観測原理と言語能力の研究前年の研究の成果である自己観測原理について、大脳生理学の知見であるミラーニューロンと言語との関係について考察し、進化の過程で脳が言語能力を獲得する際に自己観測原理が重要な役割を果たすことを指摘した。この研究はBehavioral and Brain Sciences誌に投稿し、掲載が決定している。また、自己観測原理について実験的証拠を積み重ねるため、自己を観測する能力を有する強化学習エージェント同士を繰り返し囚人のジレンマゲームで対戦させるシミュレーション実験を実施した。その結果、自己を観測する(自己のモデルを構築する)エージェントが、そうでないエージェントに比べ、より高い協調行動をとることが示された。この研究成果は、2005年1月の第5回脳と心のメカニズム冬のワークショップ(北海道ルスツ)においてポスター発表した。(2)時空間発火パターンとネットワーク構造の関係の研究時間的発火相関のような時空間発火パターンを神経回路網上で実現するには、学習規則が必要となるが、その学習規則に必要となる用件を理論的に解明したものは存在しない。そこで、所望の時空間発火パターンを発生させるようなLeaky Integrate-and-Fireニューラルネットワークの構成について研究を行い、一時連立不等式の形で表現できることを示した。また、線形計画法を用いてこの不等式を解き、与えた時空間発火パターンが再現されることをシミュレーション上で示した。この研究成果は、2004年11月のInternational Workshop on "Biologically Inspired Computing"(宮城県仙台市)にて口頭発表した。また、この研究のために、英国サセックス大学に3ヶ月滞在し、Jianfeng Feng教授との研究打ち合わせを行った。
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Behavioral and Brain Sciences (発表予定)