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南北両半球気候変化機構と巨大構造湖古環境変遷の基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 03044165
研究種目

国際学術研究

配分区分補助金
研究機関東京大学

研究代表者

豊田 和弘  東京大学, 理学部, 助手 (10207649)

研究分担者 CHRISTIAN Sc  スイス工科大学, 準教授
MICHAEL Kuzm  ソヴィエト科学学士院, 地球化学研究所, 教授
LOUIS Scott  オレンジ自由州大学, 準教授
竹村 恵二  京都大学, 理学部, 助教授 (00201608)
小椋 和子  東京都立大学, 理学部, 助手 (20087117)
石渡 良志  東京都立大学, 理学部, 教授 (90087106)
日比野 紘一郎  宮城県農業短期大学, 教授 (10004417)
堀江 正治  京都大学, 名誉教授 (90025320)
CHRISTIAN Schluchter  Institut fur Ingenieurgeoogie, ETH Zurich Assistant Professor
研究期間 (年度) 1991
研究課題ステータス 完了 (1991年度)
キーワード巨大構造湖 / タンガニカ湖 / バイカル湖 / 気候変化 / 洪積世〜沖積世 / 南北両半球 / ソ-ルトパン / バイカルコア分析計画
研究概要

我々の組織ではアフリカ巨大構造湖のタンガニカ地溝の延長部に当る南アフリカVerloren地区とバイカル湖の堆積物の予察的研究を集中して行った。南アフリカでは50mのコアを採取しケ-プタウン大学の研究者と合同して成果をまとめつつある。バイカル湖では水深700m地点でロシヤとアメリカとの共同作業により採取された4.61mコアを入手し、日本科学者のみにより各種分析を行い、特に琵琶湖との関連に於て古環境の変遷を追求した。その成果は、IPPCCEニュ-スレタ-に一括して掲載される。
やや詳しく述べると、南アフリカの50mコアの花粉分析、年代測定、粒度分析はケ-プタウン大学と共同して分析し、またソ-ルトパン湖の30万年間の花粉分析結果と併せて南北両半球間の第四紀気候変化対比の「いと口」が得られつつある。ただ堆積物の粗いために地磁気変動は今回は捕捉し得なかった。
バイカル湖の4.61mのコアで最も顕著なことは、1.5mを境として環境の急変がみられることで、生物相にしても化学組成にしてもこの急変は琵琶湖の例を想起させ、洪積世〜沖積世へ移過する過程である疑いがある。若しそうであればこの付近のバイカル湖の堆積速度は年間0.1〜0.15mmであって、琵琶湖の約1/10とみなされる。全分析結果を得られた後に、琵琶、バイカル両湖成堆積物によるグロ-バル年代学が確立出来る見通しを得られたことは、今後のバイカル湖コアサンプル分析計画をたてる上で、極めて重要な成果であるといえる。
今回分析を行なったバイカル湖北端の4.6m長のコアは、上端から1.5mはケイソウが非常に多いのに対し、1.5mよりも下は、陸源物質のケイ酸塩が主でケイソウはまれである。1年周期又は11年周期のバ-ブ(稿状構造)の存在を、肉眼およびEDS付きのSEM装置によるマップ分析で調べたが、現在のところバ-ブは発見されていない。
このコア以外にもバイカル湖各地の20ヶ所ほどの極表層堆積物の化学分析をおこなった。一部の討料で、ニオブやタンタルの含有量が非常に多く、この理由としてはバイカル湖の周辺にはアルカリ岩が多く分布しており、その砕せつ物が流入したためと思われる。一方、討料中のチタンの量は琵琶湖とあまりかわらず、バイカル湖周辺には塩基性岩はそれほど広く分布していないと考えられる。
又、マンガン、鉄、アルミニウムの含有量比から、バイカル湖の湖底は酸化的であることが判明した。ただし水深が深いために、他の湖では考えられないほどマンガンか堆積物中に濃縮した討料があり、続成作用により、大洋底なみの大きさのマンガン団塊が存在成長するにもうなずける。
1992年の2月〜3月に、今後のバイカル湖の深層堀削に関する国際協同研究(ロシア・米国・日本・ECC間)の体制と方法論について会議がイルク-ツクなどで開かれており、本研究はその協同研究に日本が参加する上で貴重な資料となっている。今後100〜1000mオ-ダ-の深層堀削がバイカル湖で予定されているが、バイカル湖は湖にしては水深が深く、水域が広く、均質の堆積物で、琵琶湖よりは1けた堆積速度が小さいことが判明したので、より長期の連続的な陸域での自然環境変遷や、気候変動、地球規模での大規模爆発(火山やいん石による)の痕跡について研究をすすめている。
それ以外にもニュ-ジ-ランドの北島のオマペレ湖の堆積物コアの中性子放射化分析法で微量元素を分析した結果、層序で希土類元素パタ-ンに違いがあることがわかり、これは富栄養湖における続成作用下での、有機物錯体による中希土類元素の流出による変化を反映したものと考えられる。

報告書

(1件)
  • 1991 研究成果報告書概要
  • 研究成果

    (12件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (12件)

  • [文献書誌] K.Toyoda: "Rare element composition in the Baikal drilled core" IPPCCE Newsletter. 6. (1992)

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      1991 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] S.Horie: "Environmental succession in South African core Sample" IPPCCE Newsletter. 6. (1992)

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      1991 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] R.Ishiwatari: "Lignin content variation in the sediments of Lake Baikal" IPPCCE Newsletter. 6. (1992)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
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      1991 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] K.Ogura: "Lipid and sterol succession in the core sample of Lake Baikal" IPPCCE Newsletter. 6. (1992)

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      「研究成果報告書概要(和文)」より
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      1991 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] K.Takemura: "stratigraphy of both South African core sample and Lake Baikal drilled sample" IPPCCE Newsletter. 6. (1992)

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      1991 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] K.Toyoda: "The paleolimnology of Lake Omapere,Northland 9.Trace elemental abundance" New Zealand Natural Sciences. 19. (1992)

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  • [文献書誌] K. Toyoda: "Rare element composition in the Baikal drilled core." IPPCCE Newsletter. No. 6. (1992)

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      「研究成果報告書概要(欧文)」より
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      1991 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] S. Horie: "Environmental Succession discovered in South African core sample" IPPCCE Newsletter. No. 6. (1992)

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      1991 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] R. Ishiwatari: "Lignin content variation in the sediments of Lake Baikal" IPPCCE Newsletter. No. 6. (1992)

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      1991 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] K. Ogura: "Lipid and sterol succession in the core sample of Lake Baikal" IPPCCE Newsletter. No. 6. (1992)

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      1991 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] K. Takemura: "Stratigraphy of both South African core sample and Lake Baikal drilled sample" IPPCCE Newsletter. No. 6. (1992)

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      「研究成果報告書概要(欧文)」より
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      1991 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] K. Toyoda: "The Paleolimnology of Lake Omapere, Northland, 9. Trace elemental Abundance" New Zealand Natural Sciences. 19. (1992)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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