研究概要 |
本年度の研究成果は以下のとおりである. 1.原子状酸素原としてのアーク風洞の開発 1)タングステンホロカソード型アーク風洞 本風洞ではホロカソードを用いることで酸素を中空の穴から直接放電部に供給することで酸素解離度の向上を狙うものである.その結果,酸素解離度は11%と従来の0.01%より飛躍的に向上したものの,カソードの劣化が激しくまた放電も不安定であり作動時間が10分程度と制限されることがわかった. 2)ジルコニウムロッド型カソードアーク風洞 本風洞ではカソード材としてジルコニウムを用いることで,カソードの酸化損耗を防ぎ,主流のアルゴンと酸素を予混合させることで酸素解離度の向上を狙う.その結果,酸解離度は10%程度と向上し,またカソードの劣化も低く,3時間以上の作動も可能であることがわかった 以上により気流に活性ガスを用いる場合はカソード材としてジルコニウムを用いることが有用であると考えられる. 2.高感度レーザー吸収分光法の開発 衝突・放射モデルの作成には多数の準位の情報が必要であるが,従来のシングルパスレーザー吸収分光法では準安定準位以外の励起準位をターゲットとすることは難しい.そこで気流の両端に高反射ミラーを設置し,共振器を形成することで実効光路長を延ばすことで感度を向上させるキャビティエンハンスト吸収分光法システムを開発した.本年度はまず,光学調整が容易な大気下でのプラズマトーチ気流に対して測定システムを開発し,適用した結果,感度が従来に比べ2桁向上したことがわかった.
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