研究課題/領域番号 |
05044144
|
研究種目 |
国際学術研究
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
有川 二郎 北海道大学, 医学部, 教授 (10142704)
|
研究分担者 |
AKE Lundkvis Swedish Institute for Infectious Disease, Associate
BO Niklasson Swedish Institute for Infectious Disease, Professor
宋 干 中国予防医学科学院, 病毒学研究所, 教授
森松 組子 北海道大学, 医学部, 助手 (90220722)
杉山 和良 国立予防衛生研究所, ウイルス一部, 室長 (90150185)
橋本 信夫 北海道大学, 獣医学部, 教授 (60082103)
LUNDKVIST Ake Swedish Institute for Infectious Disease Control・Associate Professor
NIKLASSON Bo Swedish Institute for Infectious Disease Control・Professor
NIKLASSON Bo Swedish Institute for Infectious Disease, Professor
周 桂珍 中国予防医学科学院, 病毒学研究所, 助手
|
研究期間 (年度) |
1993 – 1995
|
研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
|
配分額 *注記 |
12,000千円 (直接経費: 12,000千円)
1995年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1994年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1993年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
|
キーワード | 腎症候性出血熱 / HFRS / ハンタウイルス / ワクチン / Hantavirus |
研究概要 |
1.スウェーデン側研究分担者(Dr.BoNiklasson)の所属研究機関(Swedish Institute for Infectious Disease Control)およびフィンランド、ヘルシンキ大学ウイルス研究所(教授、Dc・Antti Vaheri)を、有川(研究代表者)と橋本が平成5年度に、有川および森松、苅和(研究分担者)が平成7年度に訪問し、スウェーデンとフィンランドにおける腎症候性出血熱流行の現状ならびに調査・研究に関する情報を収集し、わが国の研究成績とともに情報交換した。スウェーデン側研究分担者とは、患者血清ならびに臨床材料収集・提供のシステムについて討議し、スウェーデン側からは患者血清と免疫血清を、日本側からは単クローン抗体を相互提供することとした。また、英国、グラスゴ-大学の研究者とも情報交換を行い、ヨーロッパ全域における腎症候性出血熱流行についての情報を得た。 2.中国側研究分担者(Dr.Song Can)と研究協力者(Dr.Han Changshou)を平成5年度に、スウェーデン側研究分担者(Dr.BoNiklasson)と研究協力者(Dr.AkeLundkvist)を平成7年度にわが国に短期招聘し、日本側各研究分担者と情報交換するとともに共同研究の実施について討論した。 3.わが国研究分担者(森松組子、北海道大学)をスウェーデン側研究分担者(Dr.BoNiklasson)の所属研究機関(Swedish Institute for Infectious Disease Control)へ平成6年度に2カ月間派遣し、抗体測定法に関する技術交換を行った。特に、組み換えDNA発現蛋白を抗原とするELISAの非特異反応軽減に関する技術を得た。また、森松氏が持参した単クローン性抗体をDr.Niklassonらがすでに作製してあった合成ペプチドとの反応性を解析し、エピトープの位置を同定することが出来た。 4.中国側研究分担者(Dr.Zhou Gui-Zhen、中国医予防医学科学院)を研究代表者の所属機関である北海道大学に平成6年度に6カ月間招聘した。周氏の持参した患者ならびにワクチン接種者由来経過血清について、中和抗体価迅速診断法を応用して中和抗体価の変動を明らかにした。また、中和抗体測定時に補体を添加することにより、中和抗体価が4倍以上上昇することが明らかとなり、ワクチンの効果判定に有用な方法であると考えられた。また、Dr.Zhouの持参した患者血清について、スウェーデン側との技術交換によって得たELISAとエピトープの同定された組み換え抗原を用いることによって、患者血清ではいずれもウイルス抗原のうち核蛋白のN末端100アミノ酸が抗原性が高いことが明らかになった。この部分を選択的に調製して診断用抗原にすることによって、より高感度の血清診断が可能であると考えられた。 5.研究代表者(有川)が平成6年度に中国予防医学科学院を訪問し、研究打ち合わせを実施するとともに、げっ歯類を対象とした疫学調査を実施し、ホルマリン固定臓器を得た。日本研究分担者(杉山)によってウイルス抗原の存在を免疫組織化学的に明らかにした。 6.研究分担(杉山)と同協力者(網)が平成7年度に中国予防医学科学院を訪問し、中国側研究分担者との共同で、北京市および西安市近郊で野生齧歯類の捕獲調査を実施した。得られた動物臓器を病理学的ならびに免疫組織学的に解析し、ウイルスの分布を明らかにした。さらに、同様の野外調査と動物材料収集システムを確立し、今後継続的な調査を可能とした。同時に、流行地由来齧歯類の臓器をフェノール処理によってウイルスを不活化したあと、そこからウイルスゲノムRNAをPCR法によって安全かつ高率に検出するための基礎条件の確立を継続中である。今後、日本側研究分担者の中国担当研究所への派遣を通じて、中国の流行地由来のげっ歯類臓器中からのウイルス分離,抗原解析ならびにウイルスゲノム解析を行う。これによって中国における腎症候性出血熱の原因ウイルス株間の相互関連を解析し、ワクチン株選定に際して将来有効な情報が得られると考えられる。
|