研究課題/領域番号 |
05234213
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
岡本 佳男 名古屋大学, 工学部, 教授 (60029501)
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研究分担者 |
中野 環 名古屋大学, 工学部, 助手 (40227856)
八島 栄次 名古屋大学, 工学部, 講師 (50191101)
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研究期間 (年度) |
1993
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研究課題ステータス |
完了 (1993年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1993年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 高速液体クロマトグラフィー / キラル充填剤 / セルロースフェニルカルバメート / 光学分割 / 不斉識別 / アミロースフェニルカルバメート / キラルシフト試薬 / NMR |
研究概要 |
本研究では、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)用のキラル充填剤として、すぐれた不斉識別能を有する新規な多糖誘導体の合成を行い、その不斉識別能を評価するとともに、NMRによる不斉識別機構の解明を行った。 1.フェニル基上の様々な位置に、メチル基とクロロ基を同時に有する多糖の二置換フェニルカルバメート誘導体を合成した。セルロース誘導体では、メタおよびパラ位に置換基を有する誘導体が極めて高い分割能を示したのに対し、アミロース誘導体では、オルト位に置換基を有する誘導体が最も高い光学分割能を示した。 2.側鎖の2、3位および6位を位置特異的にフェニルカルバメートおよびベンゾエート基で修飾した多糖誘導体を合成し、その光学分割能を調べたところ、セルロース誘導体では、側鎖の置換基の位置と種類により光学分割能は変化した。一方、アミロース誘導体では、側鎖を位置特異的に変換した誘導体より、ランダムに変換した誘導体が高い不斉識別能を示し、実用性の高いカラムとなることが明かになった。 3.多糖フェニルカルバメート誘導体を少量のジイソシアナートを用いてシリカゲルに位置特異的に化学結合したところ、優れた耐久性と多くのラセミ体に対して、従来の吸着型充填剤と変わらない高い光学分割能を有することが明らかになった。 4.セルローストリス(4-トリメチルシリルフェニルカルバメート)(CTMSC)は、高い不斉識別能を示し、かつクロロホルムに溶解することを見い出したので、多糖誘導体としては初めて、NMRによる不斉識別に関する研究が可能になった。トランス-スチルベンオキシド、2-ブタノールなどの光学異性体が、CTMSC存在下、それぞれの異性体に相当するピークに分裂し、CTMSCが溶液中でも不斉識別を示すことが明らかになり、CTMSCが高分子キラルシフト試薬としても有効であることがわかった。
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