本年度は、共同集配システムの導入事例のひとつである福岡天神地区共同集配事業を取り上げ、社会的影響の評価を行った。その結果、(1)交通混雑緩和に与える影響に関しては、推計された削減交通量からほぼ1%の影響と考えられた。(2)交通公害に関してはNO_Xが環境基準を超えている天神交差点をケーススタディとして試算したが、0.5%程度の影響にとどまると思われる。(3)また、エネルギー節約効果も天神地区を通行する自動車の消費エネルギーとの比率で見れば、0.3%と僅かなものであった。しかし、天神1.2丁目地区は福岡市のCBD657faと比較し5%を占めるにすぎない。他地域でも同様の共同集配システムが導入されることになれば、効果は累積的に高まると思われる。また共同集配事業の促進施策としては、「ビル管理会社一括荷受」「共同化率引上げ施策」等の効果が大きいことがわかった。しかしながら、物流経費の負担分割が異なってしまうため、実現のためには公平性をどの様に考えるべきかに関し、新たな新たな基準を設ける必要がある。
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