下垂体および脳神経ペプチド受容体の発現調節機序の解析
Project/Area Number |
05680713
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Neuroscience in general
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute for Neuroscience |
Principal Investigator |
木村 信子 (財)東京都神経科学総合研究所, 分子神経生物学研究部門, 主任研究員 (70100138)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新井 和子 東京都神経科学総合研究所, 分子神経生物学研究部門, 主事研究員
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 神経ペプチド / 受容体 / ソマトスタチン / 甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン / mRNA / 下垂体 / 脳 |
Research Abstract |
脳に広範に存在する神経ペプチドである、ソマトスタチン(SS)や甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)は、細胞膜7回膜貫通型受容体に働き下垂体腺分泌の調節や、多彩な中枢神経作用を示す。私達はこれまで、下垂体の受容体活性がホルモンによって調節されること、SS受容体のサブタイプの存在、脳の発育過程や神経細胞の分化との関連性を示唆する結果を示してきた。本研究はこれらの受容体の発現調節機序や機能を分子レベルで解析することを目的としている。本年度の研究から次に示す結果を得た。(1)SS受容体遺伝子は、この2年間に5種類のサブタイプcDNA(SSTR1-SSTR5)が単離されている。そこで、RT-PCR法による解析から下垂体GH_3細胞で発現しているサブタイプは4種類であることが分かった。SSTR2について、568bpのcDNA断片をクローニングしこれをプローブとしてmRNAレベルについて調べた。SS受容体活性に影響するホルモンは、mRNAレベルの変動をきたし、その発現を調節していることを明かにした。一方、マウス神経芽腫瘍株化NS20Y細胞の分化をDMSOで促した時のSS受容体活性の低下もmRNAレベルの変化と相関していることを明かにした。この系は、神経細胞の移動、増殖、分化におけるSS受容体発現の生理的意義を明かにするためにもよいモデルになり得る。(2)下垂体GH_3細胞のTRH受容体mRNAレベルがエストロゲンの作用によって増強されるメカニズムを明かにするため、TRH受容体cDNA(3687bp)を単離し、これを用いて細胞核run-onアッセイ系を確立し、エストロゲン作用を調べたところ、TRH受容体の転写率を高めることを明かにした。一方、脳のTRH受容体は、大脳、脳幹、脊髄において生後発育の初期から発現が認められたが、小脳では低い発現を示した。その生理的意義や末梢ホルモンによる制御機構の有無については現在検索中である。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)