研究課題/領域番号 |
07760198
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
水産化学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
栗原 秀幸 北海道大学, 水産学部, 助手 (40234570)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | スルホキノボシルジアシルグリセリド / スルホキノボシルモノアシルグリセリド / スルホキノボシルグリセロール / スルホキノボ-ス / α-グルコシダーゼ / 濁度 / 会合性 / 阻害 |
研究概要 |
グリセロ糖脂質のスルホキノボシルジアシルグリセリド(SQDG)と類縁体の酵母α-グルコシダーゼに対する阻害様式を検討した。SQDGの阻害活性試験を改めて行なったところ、阻害活性にばらつきがあった。SQDG溶液が白濁したときに阻害活性が低く、SQDG溶液が透明なときに阻害活性が強くなる傾向があった。そこで、反応系内のSQDG濃度を一定にして、超音波処理により濁度の異なるSQDG溶液を調製した。各濁度における1/v〜1/sプロットは阻害物質濃度を変化させたときと同様なプロットを与えた。SQDGが大きな会合体を形成(濁度が高い)する割合の高いときには、「阻害に有効な」(小さな会合体または単一分子と考えられる)SQDG濃度が低いので阻害活性が低くなり、濁度が低く小さな会合体の割合が高いときには、「阻害に有効な」SQDG濃度が高いので、阻害活性が高くなると考えられる。 SQDGに0.03 N NaOH/MeOHを加えて、室温で2時間反応を行い、スルホキノボシルグリセロール(SQG)を調製した。また、SQDGに1N HClを加え、還流加熱を2時間行い、スルホキノボ-ス(SQ)を調製した。SQGやSQの終濃度0〜100μMで 酵素活性を検討したところ、両者はほとんど阻害効果を示さなかった。よって、スルホキノボシルグリセリド類が酵母α-グルコシダーゼに対して阻害効果を示すためには疎水性部分(アシル基)の存在が必要と考えられる。 現段階で得られた結果から、SQDGの阻害効果は会合性化合物に特異的な性質を示すことや類縁体の阻害の強さはスルホキノボシルモノアシルグリセリド(SQMG)>SQDG,SQG=SQ≒0という結果が得られた。さらに、阻害に関するメカニズムを十分に説明するためには、分子のコンホメーションや会合体の化学的性質等を明らかにしなければならないと考える。
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