研究課題/領域番号 |
08630071
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
経済史
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
橘川 武郎 東京大学, 社会科学研究所, 教授 (20161507)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1997年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1996年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 市場規制 / 規制緩和 / 市場主義 / 市場のプレイヤー / 産業政策 / 民営化 / 垂直統合 / 水平統合 / 規制 / 市場 / 危機対応の経営史 / 政府・企業間関係 / 政府・業界関係 / 日本市場 / 中間組織 / 企業集団 / 流通構造 / 取引慣行 / 生活様式 / 企業家精神 / 戦後日本 / 流通 / 企業間関係 / 商業政策 |
研究概要 |
本研究では、日本における市場規制の生成、展開、後退のプロセスを、歴史的実証的に検討した。検討に際しては、電力業・石油産業・自動車産業・コンピュータ産業・流通業に関するケース・スタディーに力点をおいた。 本研究の成果の一部は、次ぎの二つの論文として発表された。 (1)「日本の企業システムと『市場主義』」『組織科学』第32巻第2号、1998年。 (2)「規制緩和と日本の産業―石油産業の事例―」橋本壽朗・中川淳司編『規制緩和の政治経済学』有斐閣、2000年。 論文(1)では、1990年代半ばに高まりをみせた市場主義の主張は、具体的で建設的なヴィジョンに欠け、既存のシステムを全否定してそのメリットをも棄却してしまうおそれがあることを問題にした。そして、金融システムの変革と生産システムの継続という、市場主義とは異なる現在の経済危機への処方箋を提示した。 論文(2)では、まず、石油産業に代表される規制産業においては、政府の介入と産業の脆弱性とのあいだに相互増幅作用がみられることを明らかにした。つまり、政府の介入が、産業の脆弱性をもたらす側面とともに、産業の脆弱性が政府の介入を招く側面も存在することを指摘したのである。この後者の側面が意味をもつ限り、規制緩和を進めたとしても、それがただちに当該産業の体質強化につながるわけでない。規制緩和を真に有意義なものにするには、期限つきで政府介入を活用しながら、政府介入そのものを必要としないような産業の体質を強化するという、現実的で柔軟な発想を導入することが求められている。此れが、論文(2)の結論である。
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