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幕藩制の成立と民衆の政治意識

研究課題

研究課題/領域番号 08710224
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 日本史
研究機関富山大学

研究代表者

若尾 政希  富山大学, 人文学部, 助教授 (80210855)

研究期間 (年度) 1996
研究課題ステータス 完了 (1996年度)
配分額 *注記
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
キーワード政治 / 政治意識 / 支配思想 / 民衆思想 / 太平記読み
研究概要

近年、幕藩領主制の「公的」側面が強調され領主制の骨格をなす領主と民、領主と家臣、それぞれの関係における相互的契機が注目を集めている。いうまでもなく領主制の本質は支配・被支配の身分差別にあるにもかかわらず、なぜ相互的な契機が形成されたのか、またいかにして形成されたのかを歴史的に解明しなければならない。本研究では、相互的関係意識が形成され幕藩領主制が成立する過程を、武士層から民衆まで広い層に大きな影響を与えたと推定される「太平記読み」を軸に据えて、明らかにしてきた。
1.『理尽鈔』及び『理尽鈔』関連書の調査は確実に前進しデータベースも充実しつつある。
2.近世前期民衆史料として著名な『河内屋可正旧記』を詳細に分析し、河内屋可正の政治意識の形成に『理尽鈔』の政治思想が大きな役割を果たしたことを実証した。もともと支配層に政治のやり方を伝授するものであった「太平記読み」が民衆にまで影響を与えたことが明らかとなった。
3.当代の身分制社会を厳しく批判した農民出身の思想家安藤昌益も、思想形成の過程で『理尽鈔』の末書である『太平記大全』を読んでいたという新事実を掘り起こし、昌益の政治思想のルーツが「太平記読み」にあったことを論証した。昌益のイデオロギー暴露も実は「太平記読み」の系譜を引くものなのである。
4.『理尽鈔』及び関連書籍を読みその影響を受けた人物を掘り起こす作業も着実に進んでいる。現在一揆実録物への影響を調査しているところである。
5.以上の成果から、「太平記読み」が民衆の政治意識の形成に関与した可能性は高く、「太平記読み」を軸にした政治思想史は成り立つといえよう。

報告書

(1件)
  • 1996 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 若尾政希: "安藤昌益の思想形成と「太平記読み」" 日本歴史. 583. 67-85 (1996)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] 玉懸博之: "日本思想史における普遍と特殊" ぺりかん社, 400 (1997)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書

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公開日: 1996-04-01   更新日: 2016-04-21  

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