研究課題/領域番号 |
08760120
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
食品科学・製品科学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
園山 慶 北海道大学, 農学部, 助手 (90241364)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1996年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 小腸 / アポリポタンパク / mRNA editing / 栄養生理学 / 遺伝子発現 / ラット |
研究概要 |
小腸に発現するアポリポタンパク(アポ)Bはカイロマイクロンの主要タンパクで食餌脂質の輸送に不可欠な因子であり、一方冠状動脈心疾患の発症との相関が見いだされている。血漿アポBは、B-48とB-100の2つの分子種からなり、これらは単一のアポB遺伝子からmRNA editingという機構により合成される。本研究では食餌による血漿コレステロール低下作用におけるアポB遺伝子発現動態の関与を明らかにすることを目的とし、更に小腸におけるアポBの遺伝子発現制御機構を解明する一環として、小腸切除後の残存回腸における応答を観察した。血漿コレステロール低下作用を有するビ-ト繊維を摂取させたラットの小腸及び肝臓アポ BmRNAをNorthern blottingにより分析したところ、無繊維飼料摂取ラットに比して低下傾向が見られた。アポB mRNAのediting siteを含む275bpのcDNAをRT-PCRにより取得し、それを鋳型にしてprimer extension/dideoxy termination assayを行うことによりアポB mRNA editingを比較したところ、ビ-ト繊維は肝臓及び小腸におけるアポ BmRNA editingに影響を及ぼさなかった。現在、血漿コレステロール低下作用を示す他のregimen(大豆タンパク質及び魚油添加飼料)が、アポB mRNAレベル及びアポB mRNA editingに及ぼす影響について解析中である。一方、小腸広範囲切除後の残存回腸においては、アポA-IV mRNAが迅速かつ著明な増加を示したのに対してアポA-I及びアポB mRNAに変化は認められず、更にアポB mRNA editingにも変化は見られず、約80%がeditされていた。小腸切除後の残存回腸においては脂質吸収・輸送の代償的増加がを生じると予想されるが、本研究の結果より、カイロマイクロンの主要タンパクであるアポA-I、A-IV及びBは異なった様式により応答するものと推測された。
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