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農薬類の細胞毒性発現への細胞膜リン脂質過酸化の関与について

研究課題

研究課題/領域番号 08780511
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 環境影響評価(含放射線生物学)
研究機関帝京大学

研究代表者

鈴木 俊英  帝京大学, 薬学部, 助手 (60256055)

研究期間 (年度) 1996
研究課題ステータス 完了 (1996年度)
配分額 *注記
900千円 (直接経費: 900千円)
1996年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワード過酸化脂質 / 農薬 / 細胞毒性
研究概要

検討を行う農薬は、現在わが国で使用されているもの、もしくは環境中で検出されているハロゲンを含む農薬を選んだ。芳香族ハロゲン化殺菌剤4種(PCNB、フラサイド、TPN、PCP)、ポリハロアルキルチオ殺菌剤2種(ジクロフルアニド、キャプタン)、ジフェニルエーテル系除草剤3種(NIP、CNP、クロメトキシニル)の計9種類についてラット初代培養肝細胞に対する影響を調べた。その結果、強い細胞障害を示した農薬(TPN、ジクロフルアニド、キャプタン)、中程度(PCP、NIP、CNP)、弱い農薬(PCNB、フサライド、クロメトキシニル)の大きく3グループに分類された。細胞膜リン脂質の過酸化(ホスファチジルコリンヒドロペルオキシド(PCOOH)、ホスファチジルエタノールアミンヒドロペルオキシド(PEOOH))を化学発光検出(CL)-HPLC装置を用いて調べたところ、特に細胞障害の強かった3種の農薬で脂質過酸化が顕著であり、農薬無添加細胞に比べてTPN(PCOOH23倍、PEOOH7倍)、ジクロフルアニド(PCOOH523倍、PEOOH22倍)、キャプタン(PCOOH518倍、PEOOH16倍)であった。抗酸化剤(α-トコフェロール)を取り込ませた細胞では脂質過酸化が顕著であった3種の農薬を加えた場合においても、脂質過酸化は顕著に抑えられ、同時に細胞障害も効果的に抑えられた。また、薬物代謝系(P-450)阻害剤であるSKF-525Aで細胞を処理すると、脂質過酸化の抑制とともに細胞障害が抑えられた。以上のように、農薬が肝臓内の薬物代謝系で代謝される間に活性酸素を生成し、細胞膜リン脂質を過酸化して細胞障害を引き起こす経路をCL-HPLC法を用いて明確に証明することができた。他の農薬をはじめ薬物、毒物などでも、同様の経路で障害を引き起こす物質が多数予想され、今後広く検討を行えばその規制をはじめ障害の予防、治療へと役立てていけるであろう。

報告書

(1件)
  • 1996 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Toshihide Suzuki: "Cytotoxicity fo Organochlorine Pestiides and Lipid Peroeidation in Isotated Rat Mepatorytes" Biol.Pharm.Bull.20・3. 271-274 (1997)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書

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公開日: 1996-04-01   更新日: 2016-04-21  

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