研究分担者 |
根岸 淳 北海道大学, 歯学部, 助手 (70271690)
岩並 知敏 北海道大学, 歯学部, 助手 (70184893)
菅谷 勉 北海道大学, 歯学部・附属病院, 講師 (10211301)
坂上 竜資 北海道大学, 歯学部・附属病院, 講師 (50215612)
本郷 興人 北海道大学, 歯学部附属病院, 講師 (80199562)
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研究概要 |
1. Bruxismの新しい診査・診断装置の開発 多くの歯科医が臨床応用可能な小型Bruxism診断装置の開発を目的とし,すでに我々が開発した夜間睡眠中のBruxismの電気生理学的記録装置を大幅に改良し,日常臨床応用可能なように小型軽量化し,測定法と分析法を簡易化し,Bruxismの実態を記録できる新しい装置を試作した。開発した装置は約65mm×100mm×35mmで,頭部バンドにて固定して使用し,左右の咬筋に接続する4本とアース用の計5本の端子が出ており,装置表面には総Bruxism時間を表示する液晶が組み込まれ,左右の咬筋が同時に活動したときのみに反応するようにAND回路が中程に組み込まれている。AND回路をOR回路に組み換えることも容易であり,この場合はどちらかの咬筋が活動したときに反応する設計である。本装置は小型で装着時の違和感が少なく装置を付けたまま歩くことも可能であり,患者のBruxismを客観的に診査・診断できる。 2. Bruxismによる歯周組織破壊のメカニズムの解明 (1) 睡眠中のBruxismと覚醒時に意識的に行うBruxismがどのように異なるかを成人10人について加藤(義)らが開発した睡眠時顎運動記録装置を用いて顎運動,筋活動,咬合接触を同時記録し比較した結果,Clenching時の下顎の位置は睡眠時と覚醒時で異なる場合が多く,Grinding時の下顎の移動方向も両者間で異なる場合が多く観察された。 (2) サルの大臼歯に軽度と重度の炎症を誘発し,咬合性外傷を加え,根分岐部の歯周組織を臨床的,病理組織学的に検索した結果,炎症と外傷の合併群は炎症のみの群より分岐部中央では骨とセメント質の吸収,歯根膜の変性が著しく,分岐部入口では上皮が中央に向かって増殖してポケット形成が生じ炎症が中央部へ波及する危険性が高いと考えられる。Bruxismの根分岐部病変への影響を検討する目的で,根分岐部病変を有する45人の分岐部病変,歯周炎,Bruxismの程度を調べ,さらにオクルーザルスプリント1年以上装着者と短期装着者に分け,分岐部病変の変化とその歯肉縁下細菌叢を調べた結果,Bruxismが強いほど分岐部病変は進行しており,スプリント長期装着者は改善したのに対し,短期装着者は改善せず差が見られた。歯肉縁下のP.G.菌,P.I.菌,A.A.菌の割合は,両者間で差がなく,スプリント装着による分岐部病変の改善には,細菌叢の影響は少なく,Bruxismによる外傷の改善が影響していると考えられた。
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