研究概要 |
本研究は,家電品を対象に,そのリサイクル性と破棄性,ならびに分解・破砕・選別作業コストを評価しながら,最適な分解・破砕・選別処理プロセスを計画する計算機支援システムの開発を目的としている.本研究成果は,下記の通りまとめられる. (1) 「分解・破砕・材料選別の最適プロセス計画」問題の形式的定義を行った.すなわち,最適プロセス計画開題とは,使用済み製品の形態を,予め指定された回収条件(再使用,再利用,破棄)を満足する形態へ変換可能か否かを判定し,もし可能であれば,必要な分解・破砕・選別作業順序を決定する問題として定義できる. (2) 分解・破砕・選別における製品構造およびプロセス構造を,3種類のグラフにより形式的かつ統一的にモデリングする方法を提案した。 (3) 分解・破砕・選別プロセス計画の立案アルゴリズムが,上記で提案したグラフベースのモデル上における接続構造変化とノード属性変化へ帰着させて統一的に記述可能であることを示した.またこれらのモデル変化における,変化適用ルールとモデル変化手順について議論した. (4) 実際の家電品データ(シェーバー,掃除機)に対するケーススタディを行い,本研究で提案するグラフベースのモデルおよび適用ルール・モデル変化手順に基づく,最適分解・破砕・選別プロセスの探索戦略が有効に機能することを示した. これらの結果より、提案するリサイクル性・破棄性の評価に基づいた組立品の最適分解点の決定が,計算機支援により可能であることが確認された.
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