マンザミンAの合成研究

研究課題番号:09J07106

2009年度 研究実績報告書


特別研究員

    • 藤間 達哉
    • 東京大学・大学院・薬学系研究科・特別研究員(DC1)

研究課題基本情報

  • 研究期間

    2009年度~2011年度

  • 研究分野

    化学系薬学

  • 審査区分

    国内

  • 研究種目

    特別研究員奨励費

  • 研究機関

    東京大学

研究概要

マンザミンAの全合成を収束的に行うため、光学活性体のフラノン、13員環側鎖ユニット及び8員環ユニットの調製を行い、その連結を試みた。13員環側鎖ユニットに相当する2位、3位に置換基を有するシロキシジエンとフラノンはディールズーアルダー反応により高収率かつ高立体選択的に連結可能であった。その後、導入する官能基の立体制御に肝要となる13員環の構築はノシルアミドの分子内光延反応を活用することによって達成することができた。続いて、立体選択的な8員環ユニットを導入することを試みたが、13員環化合物の反応性の低さからこの連結は成功せず、より小さなユニットとの連結を行うことによって8員環部の構築の足掛かりとした。そして、8員環部の構築を含む変換によりマンザミンAの生合成前駆体であるイルシナールAの全合成を達成した。イルシナールAからマンザミンAへの変換は既知であるが、再現性及び収率の低さが露呈したため、その改良法を検討した。その結果、再現性の確立と収率の大幅な向上及び変換工程の効率化に成功し、マンザミンAの効率的全合成を達成した。

8員環ユニットの導入に困難があったことから当初の計画より収束性は低いものとなったが、全合成の過程において大員環13員環の効率的構築とその立体的要因を利用した立体化学の制御という新たな合成戦略を展開することができた。また、これまでに報告された全合成のうち最も収率がいウィンクラーの全合成における総収率0.07%と比較して、本合成はマンザミンAまでの変換の総収率が1.3%であり、大幅な収率の向上に成功した。このことからマンザミンA及びその類縁体合成を行う上で効率的な合成経路の確立を達成できた。

発表文献

学会発表

  • 藤間達哉: "Synthetic Studies on (+)-Manzamine A" 22nd International Congress on Heterocyclic Chemistry. (20090805). Delta Hotel(セントジョーンズ、カナダ)

  • 藤間達哉: "Manzamine Aの合成研究" 第51回天然有機化合物討論会. (20091009). 名古屋市公会堂(愛知)

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