研究課題/領域番号 |
10306019
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用獣医学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
有川 二郎 北海道大学, 医学部, 教授 (10142704)
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研究分担者 |
森川 茂 国立感染症研究所, ウイルス第一部外来性ウイルス室, 室長(研究職) (00167686)
苅和 宏明 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助教授 (70224714)
森松 組子 (吉松 組子) 北海道大学, 医学部, 助手 (90220722)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
35,600千円 (直接経費: 35,600千円)
2000年度: 5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
1999年度: 6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
1998年度: 24,000千円 (直接経費: 24,000千円)
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キーワード | 腎症候性出血熱 / HFRS / ハンタウイルス / 人獣共通感染症 / ウイルス感染症 / 病原性 / 遺伝子再集合 / 感染増強 |
研究概要 |
1.ハンタウイルスの感染効率が、N-アセチルガラクトサミン結合性レクチン(DBAとSBA)を添加することにより約10倍増強され、細胞表面上のレセプター又はその近傍にあるN-アセチルガラクトサミンとウイルスをレクチンが架橋することにより吸着効率が増強するためと考えられた。 2.ハンタウイルス感染後、細胞融合を惹起する細胞株と起こさない細胞株の確立に成功し、ハンタウイルスエンベロープ蛋白が引き起こす感染細胞融合には細胞側因子も関与していることを明らかにした。 3.強毒株感染マウスでは脳へのウイルスの到達が弱毒株に比べ4-5日早いことがその後の全身感染の拡大と致死的転帰につながるものと考えられた。 4.強毒株は脳微小管内皮細胞と腹腔マクロファージにおいて弱毒株よりも高い増殖率を示したが、神経芽腫細胞では両ウイルスに差は認められなかったことからウイルスの病原性には末梢の標的細胞での増殖率が関連していると考えられた。 5.強毒と弱毒ハンタンウイルス間で遺伝子分節の交換された遺伝子再集合ウイルスを作成し、病原性と関連するウイルス側の要因を解析した結果、Mセグメント遺伝子中のアミノ酸変異(515番目アミノ酸、IleからThr)が病原性に関連し、Lセグメントも部分的に関連することが明らかになった。 6.強毒株感染SCIDマウスに、感染3週後のBALB/cマウス由来脾臓細胞を移入したところ、感染3週目に移入した場合、移入4日目から著しい体重減少が一過性に認められ、免疫関連の病原性発現機構が確認された。 7.ハンタンウイルスの核蛋白遺伝子(S分節)とエンベロープ蛋白遺伝子(M分節)をクローニングし、哺乳動物細胞(293T細胞)で高率に発現させることに成功した。 8.Lセグメントの発現系の確立を目的にLセグメントRNA全長のクローニングに成功した。今後、この発現の有無について検討を加える予定である。
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