研究課題/領域番号 |
10306020
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用獣医学
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
柵木 利昭 岐阜大学, 農学部, 教授 (70014115)
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研究分担者 |
源 宣之 岐阜大学, 農学部, 教授 (10144007)
福士 秀人 岐阜大学, 農学部, 助教授 (10156763)
鈴木 義孝 岐阜大学, 農学部, 教授 (70021699)
坪田 敏男 岐阜大学, 農学部, 助教授 (10207441)
工藤 忠明 岐阜大学, 農学部, 教授 (00002080)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
36,700千円 (直接経費: 36,700千円)
2000年度: 5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
1999年度: 15,400千円 (直接経費: 15,400千円)
1998年度: 16,100千円 (直接経費: 16,100千円)
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キーワード | 病態 / 生態 / パラポックス感染症 / ニホンカモシカ / ウマヘルペスウイルス-9 / 内分泌撹乱物質 / ツキノワグマ / 野生動物保護管理 / 野生動物 / 環境汚染 / 環境ホルモン / 日本ザル / カラス / ガゼル脳炎 / カモシカ / ウミウ |
研究概要 |
本研究によって得られた主な野生動物の病態と生態に関する調査結果は以下の通りである。 1)再興感染症であるニホンカモシカから羊へのパラポックス感染症の伝搬の可能性を明らかにする目的で、カモシカ由来のパラポックスウイルスを用いて羊への接種実験を試みた。その結果、ニホンカモシカのパラポックス感染症が羊へ伝搬する可能性が示された。 2)トムソンガゼルの集団斃死例から分離されたガゼルヘルペスウィルス1型は、新興感染症のウマヘルペスウイルスであることが判り、EHV-9として提唱した。EHV-9はこれまで検索したウマ、ヤギ、ウシ、ブタ、イヌ、ハムスター、マウス、モルモットのすべてに脳炎を引き起こすことが明らかとなった。この脳炎はウマ、ブタ及びウシを除き総て致死的であった。EHV-9は強い神経向性を有するウイルスであり広範囲の動物に強い毒力を持っていることが明らかになった。 3)中部地区を中心とした各種野生動物における有機塩素系薬剤、PCBs,DDTs,HCHなどの残留濃度を測定したところ、陸生動物に比べて鳥類中でも猛禽類が各薬剤を高濃度保有していることが明らかになった。また、その生体への影響についても実験的に調査した。 4)ツキノワグマおよびキタオットセイの繁殖に関わる生態学的および生理学的知見が得られた。また、希少野生動物の人工繁殖に向けてツキノワグマをモデルとした精液の凍結保存に関する技術開発がなされた。さらに、哺乳類および猛禽類における内分泌かく乱化学物質(環境ホルモン)の蓄積濃度と生殖への影響についての若干の知見が得られた。これらの知見は、自然環境保全のためのモニタリング調査の重要性を指し示している。そのほか野生鳥類の病理学的研究、霊長類を初めとする動物園動物の病理学的研究、冬眠の生体内機構などについても調査研究した。
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