研究課題/領域番号 |
10357003
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
細菌学(含真菌学)
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研究機関 | 国立感染症研究所 (1999-2000) 国立国際医療センター (1998) |
研究代表者 |
竹田 美文 国立感染症研究所, 所長 (30029772)
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研究分担者 |
山崎 伸二 (山崎 伸ニ) 国立国際医療センター研究所, 適正技術開発・移転研究部, 室長 (70221653)
濱端 崇 国立国際医療センター研究所, 感染・熱帯病研究部, 室長 (40311427)
牧野 壮一 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教授 (30181621)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
32,500千円 (直接経費: 32,500千円)
2000年度: 9,000千円 (直接経費: 9,000千円)
1999年度: 9,500千円 (直接経費: 9,500千円)
1998年度: 14,000千円 (直接経費: 14,000千円)
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キーワード | 腸管出血性大腸菌 / 無毒変異株 / ワクチン株 / 豚浮腫病 / VT2vp1 / 感染防御能 / ベロ毒素 / Stx2 / 生菌ワクチン / VT2 / 幼弱ウサギ / 幼弱ブタ / 無毒変異毒素 / 無毒変異要素 |
研究概要 |
腸管出血性大腸菌は、ヒトだけではなく家畜からも多数分離されており、ウシやブタの腸管出血性大腸菌感染症は畜産業界では大きな問題となっている。本感染症の感染源は、主として食肉で感染した家畜の糞便中の腸管出血性大腸菌が何らかの経路でヒトへ感染すると考えられている。従って、家畜の腸管出血性大腸菌感染を予防できるワクチンの開発は畜産業界に有用であるばかりでなく、ヒトの腸管出血性大腸菌感染、それに引き続く出血性大腸炎や溶血性尿毒症症候群の予防にも有効である。 本研究では、ブタの浮腫病の原因である腸管出血性大腸菌に対するワクチン株を構築し、その有効性を証明した。すなわち、浮腫病のブタから分離したベロ毒素(VT2eまたはVT2vp1)を産生する腸管出血性大腸菌について、抗原性は保有するが毒素活性の喪失した変異毒素を産生する変異株を作出した。まず、VT2vp1のAサブユニットN末端から167番目のグルタミン酸(E167)と170番目のアルギニン(R170)を、それぞれグルタミン(Q167)とロイシン(L170)に置換したVT2vp1変異毒素を産生するような遺伝子を作出した。この遺伝子と野生型の毒素遺伝子を相同組換えにより置き換え、変異株を作出した。この変異株は野生型の毒素と同様の抗原性は保持していたが、ベロ細胞を用いた試験により毒素活性が喪夫していた。また、この変異株の豚への毒力を野生株を対照にして調べた結果、病原性は喪失していた。この変異株をワクチン候補株として、感染防御能を調べたところ、変異株を投与した豚群(n=20)は浮腫病由来の野生株の投与に対して浮腫病の発症はみられなかったが、ワクチン株を投与しなかった豚群(n=20)では、12頭が浮腫病を発症し、死亡した。また、変異株投与豚において、血中IgG価および糞便中IgA価の上昇も確認された。
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