研究課題/領域番号 |
10558105
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
機能生物化学
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
北川 雅敏 九州大学, 生体防御医学研究所, 助教授 (50294971)
|
研究分担者 |
中山 敬一 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (80291508)
畠山 鎮次 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (70294973)
中山 啓子 九州大学, 生体防御医学研究所, 助教授 (60294972)
平井 愛山 千葉県立東金病院, 院長
|
研究期間 (年度) |
1998 – 1999
|
研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
|
配分額 *注記 |
9,800千円 (直接経費: 9,800千円)
1999年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
1998年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
|
キーワード | p27^<Kip1> / ユビキチン化 / プロテアソーム / 肺がん / サイクリン依存性キナーゼ / サイクリン依存性キナーゼ阻害分子 / ユビキチン-プロテアソーム / 蛋白分解 / プロセッシング |
研究概要 |
癌細胞の無限増殖能は細胞周期制御機構の破綻によるところが大きく、細胞周期のG1期からS期への進行を制御しているG1サイクリン依存性キナーゼ(G1-CDK)の異常な活性化がその原因のひとつである。G1-CDKの活性はその阻害タンパク質(CKI)によって制御されている。今回我々はCKIのひとつであるp27^<Kip1>の存在量を肺癌組織において検討した。非小細胞癌を調べた結果、adenocarcinomaおよびsquamus cell carcinomaのいずれも、正常肺組織に比べてp27^<Kip1>の存在量が低いことがわかった。さらにそれらの組織抽出液ではp27^<Kip1>の分解活性が優位に高いことを見い出した。他のグループからの結果を総合すると、ヒトの大腸癌、胃癌、乳癌や肺癌の悪性度とCKIであるp27^<Kip1>の分解活性が正の相関を示すと考えられる。そこで我々はp27^<Kip1>の分解メカニズムを解明することを目的に、分子生物学的、生化学的手法を用いて解析した。その結果、p27^<Kip1>の分解はユビキチンープロテアソーム系と限定分解というふたつの経路で実行されることを突き止めた。p27^<Kip1>のユビキチン化はSCF^<Skp2>というSCFユビキチンリガーゼが実行し、ユビキチン化されたp27^<Kip1>はプロテアソームによって分解される。一方でp27^<Kip1>はサイクリンと結合する領域内で限定分解され、失活することがわかった。いずれの分解機構もG1後期からS期にかけて活性が高く、細胞周期のS期への進行に寄与していると考えられる。今後は各種の癌においての分解がどちらのメカニズムに寄与しているかの解析を行うこと、および限定分解酵素の同定が急務である。さらにp27^<Kip1>分解阻害剤、分解抵抗性p27^<Kip1>の作成による遺伝子治療への応用が期待される。
|