研究概要 |
開発する対話型ペットロボットのシステムは,センサ系,認識系,処理系及び表出系に大別される.このうち,平成10年度は本ペットロボットの表出系となるぬいぐるみ型ハードウェアと処理系となる生物の神経回路ネットワークを模した対話型アルゴリズムの開発を行った. 平成11年度は,まずロボットシステムに視覚センサとしてCCDカメラを搭載し,対話の相手との相対関係および周辺情報を視覚情報により獲得するセンサ系・認識系を開発し,前年度の成果とあわせて統合的なプロトタイプシステムを開発した. 次に,人間の処理が本能と理性によるもので,その表出から内部心理状態を推測することが困難であるため,比較的本能的な処理・表出が行われているペット動物を対話の相手として用いることとした.具体的な対話としてペット動物との「遊び」を行うこととし,開発した対話型アルゴリズムによって人間とペット動物が遊ぶことに近い遊びができることを確認した. 以上の成果から,目的とした対話型ロボットのプロトタイプを開発し,生物との対話によりアルゴリズムの有効性を実証した.今後の課題として,人間の表出のように複雑な情報から,相手の内部心理状態を推測できるようなシステムの開発が望まれる.
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