研究課題/領域番号 |
11127201
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
石川 健三 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90159690)
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研究分担者 |
末廣 一彦 北海道大学, 大学院・理学研究科, 講師 (60211976)
鈴木 久男 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20192619)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1999年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | CP不変性 / 量子ホール効果 / カイラル超伝導 / flux相 / 負の圧縮率をもつ量子ホールガス |
研究概要 |
完全に縮退した一粒子状態からなる極めて特異な量子的な物質系である量子ホール系での諸問題並びに関連する空間反転や時間反転を破る凝縮系物理について次の成果がえられた。 (1)整数量子ホール効果の量子化が有限サイズや有限電流の系でも強磁場中では厳密に成立し有限サイズ補正が消失すること、電流が小さいときには量子化が厳密に成立する量子ホール領域があること、電流が大きくなると量子ホール領域が消失する"breakdown"現象が起きること、この際の臨界ホール電場は磁場の1。5乗に比例すること、等が示された。また周期系についての双対性やtight-binding模型との関連が解明された。 (2)量子ホール系での圧縮性ガス状態が、量子ホール系では運動エネルギーが相互作用から生ずるものであるため、負の圧縮率をもつ特異な状態であることが示された。さらにその結果縦抵抗が有限な値をとる時にもホール抵抗の厳密な量子化が起こることがしめされた。 (3)また分数量子ホール効果について、相互作用によりfluxが凝縮し、Hofstadterのbutterflyスペクトルと同様なものになる一粒状態を持つflux相に基ずく新しい平均場理論が提案された。この意味で、Hofstadterのbutterflyスペクトルと分数量子ホール効果の関連が初めて明らかにされた。 (4)時間や空間の反転に対して不変でない超伝導では量子ホール系と同様に電磁場に対するChern-Simons項が導かれる。この際、磁場の代わりをp波のCooper対凝縮がし、またU(1)対称性が破れているためChern-Simons項の係数には補正があること等について解明された。
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