研究概要 |
通信遅延が起こってエージェントに問題情報が完全に到着しないような不完全通信環境下における分散問題解決手法の研究を行ない以下の成果を得た. アブダクションを用いた投機的計算モデルの提案他エージェントからの通信が遅延したときの計算モデルとして以下のような投機的計算モデルを提案した. ●他エージェントに通信して質問をする場合にあらかじめその回答の予想仮回答を用意しておき,その質問がなされたとき,または回答のデッドラインを越えたときに,その予想仮回答を用いて,投機的に計算を開始する. ●もし真の回答が来た場合には,真の回答が仮回答と矛盾していなければ,何もせず,矛盾していれば,その仮回答を使う直前の状態から計算をやり直す. 上記処理モデルの並列シミュレータの実装上記モデルを以下の2つの方式で分散マシン上にンミュレータを実装し,インターネット上での投機的先行処理システムの実現の見通しを得た. トップダウン方式による実装初期ゴールからトップダウンにゴールを展開していき,質問が必要なときに質問と同時に投機的先行処理を行なう方式を考案し,実装を行なった. ボトムアップ方式による実装スレーブエージェントに先に質問を行なっておき,その間はボトムアップに先行処理を行なう処理方式を考案し,JAVA言語を用いて実装を行なった.
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