• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

部位特異的スピンラベル法を用いたオキシダーゼ活性化と蛋白構造変化に関する研究-p47phoxのリン酸化による構造変化とその細胞膜への移動との関連性-

研究課題

研究課題/領域番号 12034203
研究種目

特定領域研究(A)

配分区分補助金
審査区分 生物系
研究機関北海道大学

研究代表者

稲波 修  北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助教授 (10193559)

研究分担者 桑原 幹典  北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 教授 (10002081)
研究期間 (年度) 2000
研究課題ステータス 完了 (2000年度)
配分額 *注記
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2000年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
キーワード好中球 / NADPHオキシダーゼ / 突然変異 / マレイミド / 部位特異的スピンラベル法 / 電子スピン共鳴法 / リン酸化 / 蛋白リン酸化酵素
研究概要

NADPHオキシダーゼは好中球・B細胞に存在し、スーパーオキサイドを生成する酵素として知られている。このオキシダーゼコンポーネントの欠失、突然変異は慢性肉芽腫症(CGD)として知られ、重篤な免疫疾患を示すことから、NADPHオキシダーゼは感染防御にとって非常に重要であると認識されている。この酵素は細胞膜に局在する p22^<phox>Tとgp91^<phox>、細胞質に局在するp47phox、p67phoxならびにracから構成されることが知られている。活性化に際しては、FcRやFMLP刺激によって活性化したprotein kinase C(PKC)がp47^<phox>のC末端領域のリン酸化を促し、リン酸化p47^<phox>の二つのSH3ドメイン(SH3A,SH3B)とプロリンリッチ領域(PRR)が、それぞれp22^<phox>とP67^<phox>と結合し、膜に会合し、活性を表すと考えられている。また、p38MAPK、ERKなどのMAP kinaseもこの活性化に関与することを本年度の結果として明らかにされた^<1-3)>。本研究ではシステイン残基をターゲットとしたスピンラベル法を用い、リン酸化に伴うp47^<phox>の構造変化を部位特異的スピンラベル法を用い解析した。
3-maleimide-proxylをスピンプローブとして用い、pGEX-1λT発現系で作成したp47phoxのシステイン残基をスピンラベルを行った。PKCによってリン酸化に伴うp47^<phox>の構造変化のX-band ESRを用いて解析を行った。既に、[^3H]N-ethylmaleimideを用いC196とC378にラベルされることが明らかとなっている(Park and Babior,Biochemistry,1997,34:7474)。そこで、アラニンへの突然変異を起こさせたC378A p47phoxとC196A p47^<phox>を作成し、それに対してスピンラベルし、ESR法で活性化刺激に伴う構造変化を観察した。
wild type47^<phox>のESRスペクトルはラベルされたN-oxylの早い運動を示すunimmobilizedコンポーネントと運動の抑制を示すimmobilizedコンポーネントが観察された。C378Aの変異蛋白ではunimmobilizedコンポーネントのみが消失し、C196Aの変異蛋白ではunimmobilizedコンポーネントのみが消失したことから、unimmobilizedコンポーネントはC379に由来し、immobilizedコンポーネントはC196Aすることが明らかとなった。また、このC末端C379に由来するコンポーネントはPKCによりリン酸化されることにより運動性が抑制されることが明らかとなった。同様の現象は、NADPHオキシダーゼ活性化刺激であるSDSまたはアラキドン酸で観察された。以上の結果は、p47^<phox>のC末端領域の構造変化が、活性化刺激剤により構造変化を起こすことが明らかとなり、この構造変化がp47^<phox>の膜への移動やp67^<phox>との会合と関連する可能性を示唆している。また、SH3ドメイン近傍にラベルに由来すると考えられるimmobilizedコンポーネントはこれらの刺激で有意なスペクトルの変化は見られなかったが、現在、ESR飽和移動法の確立を試みている。3-maleimide-proxylラベルしたBSAのグリセロール溶液をモデル系として用い、τが10^4〜10^7secの非常に遅い、温度依存的な回転の運動について解析が可能となった段階である。今後、このESR飽和移動法によりp47phoxのimmobilizedコンポーネントについて解析を進める予定である。

報告書

(1件)
  • 2000 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] T.Yamamori ら: "Roles of p38 MAPK,PKC and Pl3-K in the signaling pathways of NADPH oxidase activation and phagocytosis in bovine polymorphonuclear leukocytes"FEBS Lett.. 467. 253-258 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] Y.Cui ら: "FMLP-induced formation of F-actin in HL60 cells is dependent on Pl3-K but not on intracellular Ca2+,PKC,ERK or p38MAPK"Inflamm.Res.. 49. 684-691 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] M.Kuwabara ら: "Spin-trapping detection of superoxides in polymorphonuclear leukocytes stimulated with serum-opsonized zymosan"Jpn.J.Vet.Res. 48. 3-13 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] O.Inanami ら: "ESR detection of intraphagosomal superoxide in polymorphonuclear leukocytes using 5-(diethoxyphosphoryl)-5-methyl-1-pyrroline-N-oxide"Free Radical.Res. (印刷中).

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書

URL: 

公開日: 2000-04-01   更新日: 2018-03-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi