研究分担者 |
斎藤 秀之 北海道大学, 農学研究科, 助手 (70312395)
船越 三朗 北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 助手 (60001476)
松田 彊 北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 教授 (30002075)
田代 直明 九州大学, 農学研究院, 助手 (40274526)
小林 元 九州大学, 農学研究院, 助手 (40325494)
岡野 哲郎 九州大学, 農学研究院, 助教授 (00194374)
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配分額 *注記 |
14,300千円 (直接経費: 14,300千円)
2003年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2002年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2001年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2000年度: 9,300千円 (直接経費: 9,300千円)
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研究概要 |
北海道大学研究林(雨龍)・東京大学演習林(山部)・九州大学演習林(足寄)に設定されている産地試験地における調査から,設定後20年目の生存率・直径成長・樹高成長に産地間変異が認められ,定山渓産はいずれの試験地でも生存率以外の成績が悪かった。雨龍においては雨龍産,ついで山部産のミズナラが,山部においては山部産,ついで雨龍産のミズナラの成長が速く、両産地のミズナラは優良である傾向が認められた。しかし,足寄においては足寄産、雨竜産、山部産の成長が同等であった。 林木育種センター北海道育種場内の材料を用い,葉形質・堅果形質・開葉時期・葉緑体DNAを調べたところ,北海道西部と東部のミズナラは遺伝的に分化していることが推察された。光合成に関しては,比葉重に産地間変異がなかったにもかかわらず,光飽和光合成速度に一部の産地間で違いが認められた。ただし,葉緑体DNAで認められた北海道西部と東部間の変異とは関連していなかった。 中国産モンゴリナラについても葉緑体DNA変異を調べた。北海道のミズナラで出現頻度の高かったハプロタイプは中国には存在しなかった。 人工交配の結果から,コナラ属は種間交雑を行っている可能性が極めて高いことが確認され,種間雑種の特性も明らかになった。ミズナラとカシワの交雑家系では,樹高成長が母種を上回る雑種強勢がみられた。光飽和光合成速度は雑種強勢と関連していないことが示唆された。 中国および雨龍の母樹の葉と雨龍で育成した次代の葉を比較したところ,高緯度産の次代ほど葉柄長が短くなる傾向が認められた。このように葉形質は可変性を示した。中国産および雨龍産の母樹とその次代の似通い度から,葉形質の遺伝性を検討した結果,鋸歯数・鋸歯密度・形状比・鋸歯タイプ・葉柄長の遺伝性が高いことが分かった。
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