配分額 *注記 |
16,700千円 (直接経費: 16,700千円)
2003年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
2002年度: 5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
2001年度: 6,100千円 (直接経費: 6,100千円)
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研究概要 |
メチオニン生合成の鍵段階の酵素であるシスタチオニンγ-シンターゼ(CGS)の発現はmRNAの安定性の段階でフィードバック制御されており,しかもこの制御にはCGS遺伝子の第1エキソンにコードされるアミノ酸配列がシスに働く.この制御に機能している制御因子を遺伝学的に明らかにするため,発光クラゲの緑色蛍光タンパク質(GFP)レポーター遺伝子に野生型CGSの第1エキソンをつなぎ,カリフラワーモザイクウイルス35Sプロモーターの制御下に置いた融合遺伝子を持つトランスジェニック・シロイヌナズナを親株として,GFP蛍光と葉緑体の自家蛍光の比が上昇した変異株のスクリーニングをおこなった.その結果,この制御にトランスに作用すると考えられる変異株を4株得た.この内の少なくとも1株は,内在CGS遺伝子と導入GFP遺伝子の両方のmRNAの安定性に対するメチオニン添加の効果が弱まっており,両mRNAの蓄積量も増加していた.この変異株の性質を調べるため,一過的発現系での解析を行った.変異株から液体カルス培養を起こし,カルスから調製したプロトプラストに電気穿孔法による遺伝子導入を行った.大腸菌β-グルクロニダーゼ(GUS)遺伝子をレポーターとした同様の融合遺伝子を導入し,培養へのメチオニンおよびS-アデノシルメチオニン(SAM)添加の有無でGUS活性を比較すると,野生型株のプロトプラストを用いた解析の場合に比べてメチオニン,SAMいずれについても添加の効果が低下していた.SAMは試験管内翻訳系を用いた解析により,CGSの転写後制御のエフェクターであることが明らかになっている.これらの結果からこの制御にトランスに作用する因子の変異株が分離されたと考えられる.
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