研究課題/領域番号 |
13837037
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ジェンダー
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
宮地 尚子 一橋大学, 大学院・社会学研究科, 助教授 (60261054)
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研究分担者 |
後藤 弘子 東京電気工業大学, 経済学科, 助教授 (70234995)
湊 博昭 一橋大学, 保健管理センター, 教授 (80114669)
関 啓子 一橋大学, 大学院・社会学研究科, 教授 (20107155)
高橋 涼子 金沢大学, 法学部, 助教授 (80262541)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | ジェンダー / 心的外傷 / 精神障害 / トラウマ / 性暴力 / ドメスティックバイオレンス / 児童虐待 |
研究概要 |
1.「外傷性精神障害」という概念の成立過程や歴史的変遷と、ジェンダーとの関係:概念の激しい歴史的変遷にヒステリー概念や魔女裁判などジェンダー要因も深く関わってきたこと、現在の診断基準も、それらを批判的にみていく本研究もジェンダーをめぐる歴史的拘束や社会の権力作用から自由ではないことが確認された。 2.「外傷性精神障害」または外傷と関係が深い精神疾患と、ジェンダーとの関係:PTSDの発症率や症状、外傷体験をもつ割合、危険因子等についての性差研究を批判的に分析した。トラウマ反応は、加害者との関係、事件への本人の意味付け、自己身体イメージ、周囲の反応のレベルでジェンダーの影響を大きく受け、症状発現や人格発達、回復過程を大きく左右すること、トラウマ反応や症状がジェンダー規範に沿って行動化され、非行やDV等の加害行為につながりうることが明らかになった。人格障害のうち反社会性、境界性、自己愛性、妄想性各型はトラウマと関連が深いこと、表現型や病理を示す対象範囲、援助を求める行動の有無等においてジェンダーが関与し、「人格障害」の診断率の統計的な性差につながっていた。「複雑性PTSD(またはDESNOS)」の概念は、慢性反復性トラウマの症状を把握する上で有用だが、より理論的な発展と分化が必要と考えられた。 3.「外傷性精神障害」の予防や対応、回復支援におけるジェンダーの視点の重要性:性犯罪をめぐる現行法の問題点と今後の改正への提言を、法学雑誌に掲載した。関連する海外書籍2冊『多重人格者の心の内側の世界』(2003)『裏切られた少年たち:性的虐待を受けた男性の精神力動的治療』(近刊予定)の翻訳をおこなった。2003年3月の第2回日本トラウマティックストレス学会にてシンポジウム「トラウマとジェンダー」を主催。 『トラウマとジェンダー:臨床現場の声(金剛出版)を編集、2004年3月出版した。
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