研究課題/領域番号 |
14021018
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
高田 礼人 東京大学, 医科学研究所, 助手 (10292062)
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研究期間 (年度) |
2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
2002年度: 7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
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キーワード | フィロウイルス / 病原性 / 表面糖蛋白質 / 抗体依存性感染増強 / エピトープ |
研究概要 |
エボラウイルスの強い病原性に関わる因子は解明されていない。本ウイルスに対して効果的な予防・治療法を開発するためには、病原性発現のメカニズムを個体、細胞および分子レベルに至るまで明らかにする事が必要である。 エボラウイルスの表面糖蛋白質(GP)に対して誘導される抗体の中には、ウイルスの感染を増強するものが存在する事をこれまでに明らかにした。感染患者回復期血清を調べると、約半数に感染増強活性が認められたので、実際の感染でも感染増強抗体の産生が誘導されている事が明らかになった。 GPに対するモノクローナル抗体(MAb)のうち、ウイルスを中和する活性を示すものに関して、エピトープの同定を行った。VSVのG蛋白質遺伝子をZaire株GP遺伝子に置換したリコンビナントVSVを中和抗体存在下で増殖させてエスケープミュータントを選択し、GPのアミノ酸変異を同定したところ、MAb133/3.16は膜融合ペブチド、MAb226/8.1はレセプター結合領域付近のエピトープを認識すると考えられた。これらの抗体の受動免疫による感染防御効果をマウスモデルを用いて調べた。抗体をウイルス攻撃前あるいは後に腹腔内に投与したマウスは致死量のウイルス感染に対して無症状で耐化した。ウイルス感染後に抗体価の上昇が全く認められなかった事から、ウイルスはマウス体内で殆ど増殖しなかったと考えられる。これらの結果は、中和抗体のみを用いての受動免疫法がエボラウイルス感染に対して有効である事を示唆する。 (注)実際のエボラウイルスを用いた実験は、Feldmann博士の協力でカナダの国立研究施設Canadian Science Centre for Human and Animal Healthで行った。
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