配分額 *注記 |
45,000千円 (直接経費: 45,000千円)
2006年度: 6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
2005年度: 7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
2004年度: 9,100千円 (直接経費: 9,100千円)
2003年度: 11,700千円 (直接経費: 11,700千円)
2002年度: 10,100千円 (直接経費: 10,100千円)
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研究概要 |
1.自由エネルギーに基づいたハイブリダイゼーション過程の解析 本研究では,ある一本鎖DNAとその完全相補配列,及び,競合する塩基配列を混合した溶液中で起こるハイブリダイゼーションの特徴を自由エネルギーや融解温度の立場から明らかにした. ある塩基配列Aと完全相補な塩基配列B,及び,Aと部分的に相補な配列を含む塩基配列Cが競合する反応系において,AとBの結合体の最小自由エネルギー,および,融解温度,また,AとCの結合体の最小自由エネルギー,および,融解温度との関係からAとCが結合してしまうミスハイブリダイゼーションの発生割合の分析を行った.検出にはDNAに修飾した蛍光のクエンチングを利用した.結果的に,最小自由エネルギー,および,融解温度の差がミスハイブリダイゼーションに与える影響について,実験結果からモデル式を導出することに成功した. 2.DNAタイルのための塩基配列設計支援システムの構築 昨年度の研究成果を受けて,DNAタイル設計のための塩基配列設計支援システムの構築を行った.DNAタイルは,ナノ構造の形成やタイル計算に用いることが可能であることから近年注目を浴びている.しかしながら,DNAタイルは何本もの一本鎖DNAの結合体であることからその構造安定性を求めることは困難であり,これまで,ヒューリスティックな方法として,重複する連続した部分塩基配列を避ける方法が使用されてきていた. 本研究では,DNAタイルの構造安定性を見積もる方法として,自由エネルギーを用いることにした.2本の一本鎖DNAからできる主な結合体の自由エネルギーを見積もる方法は,これまでの研究で洗練されたものとなっている.このため,DNAタイルの構造体を2本の一本鎖DNAからなる部分に分けて,DNAタイルが望み通りに生成されたときの結合体の自由エネルギーが最も安定となるような尺度を設計することを目的としている.本研究では,設計支援のためのツールを開発した.DNAタイル設計の際には,各部分配列同士の非特異的結合を避けたり,融解温度やGC含量などを考慮したり必要があり,それらを見積もるツールが必要である.また,作成した配列の解析や,山登り法による最適化手法による配列の自動生成も可能である.
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