研究分担者 |
福田 健二 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (30208954)
松下 範久 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 講師 (00282567)
奈良 一秀 東京大学, アジア生物資源環境研究センター, 助手 (60270899)
山田 明義 信州大学, 農学部, 助教授 (10324237)
大沢 雅彦 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (80092477)
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配分額 *注記 |
113,620千円 (直接経費: 87,400千円、間接経費: 26,220千円)
2006年度: 6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
2005年度: 7,670千円 (直接経費: 5,900千円、間接経費: 1,770千円)
2004年度: 8,190千円 (直接経費: 6,300千円、間接経費: 1,890千円)
2003年度: 40,040千円 (直接経費: 30,800千円、間接経費: 9,240千円)
2002年度: 50,960千円 (直接経費: 39,200千円、間接経費: 11,760千円)
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研究概要 |
本研究は、根圏共生系における生物関係解明を目指し、以下の成果が得られた。 (1)一次遷移地における先駆宿主実生の定着時には,既に定着した菌根植物から土壌中に伸長する根外菌糸体が感染源となって菌根が形成されることが明らかにされた。また,先駆植物に共生する菌根菌がなければ,後継樹種が定着できないことが明らかにされた。 (2)二次遷移系列において,草原植生にも外生菌根菌が存在していること,森林の発達に伴って外生菌根菌群集の多様化が見られるが,極相林では種組成の増加が頭打ちになることが明らかにされた。 (3)DNA解析の結果,マツ科針葉樹林に発生する日本産マツタケとブナ科広葉樹林に発生する中国雲南省産のマツタケが,遺伝的に極めて近縁であることが明らかにされた。 (4)森林樹木と無葉緑素植物(ギンリョウソウ)を菌根菌が繋ぐ3者共生系が成立していることが明らかにされた。 (5)マツタケのシロの成長に伴い,既存の菌根菌群集が駆逐されるものの,シロの通過後短期間のうちに元の菌根菌群集が復活することが明らかにされた。 (6)大型ライゾトロン内にアカマツ取り木苗を植栽し,根系の動態を継続して観察することができた。また,装置内にセイヨウハコヤナギ実生苗を植栽し,根系の伸長過程を微速度撮影により経時的に記録した結果,根が昼夜を問わず一定の速度で伸長する様子が観察された。 (7)外生菌根菌フリー細根の誘導法とマツタケ菌の接種法の検討により,成木にマツタケ外生菌根を形成させる手法が確立され,約50年生のアカマツ成木に接種5週間でマツタケ外生菌根を形成させることに成功した。 (8)房総半島,千葉市,東京都目黒区のスダジイを優占種とする常緑広葉樹林において子実体発生調査を行った結果,都市化の傾度にしたがって,外生菌根菌の子実体発生種数・発生本数の減少,特定の外生菌根菌の増加,落葉分解菌および腐朽菌の増加といった菌類相の変化が見られることが明らかにされた。
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