研究分担者 |
坂井 悦郎 東京工業大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90126277)
小澤 一雅 東京大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (80194546)
河合 研至 広島大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90224716)
杉山 隆文 群馬大学, 工学部, 助教授 (70261865)
久田 真 独立行政法人土木研究所, 技術推進本部, 主任研究員 (80238295)
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研究概要 |
(1)コンクリート工事の各段階における微量成分溶出の実態の把握 コンクリート材料,コンクリートの製造,施工,構造物の供用後の維持管理,供用終了時の解体撤去および再利用などの各段階について,微量成分の溶出量の実態を把握した.この結果,溶出が懸念される成分として六価クロムが対象となること,材料中にはクロム成分は含まれるが,供用中の構造物からはほとんど検出されないこと,フレッシュコンクリートのブリーディング水やコンクリート工事に使用した洗浄水などから相当量の六価クロムが検出されることなどを明らかにした. (2)国内外の微量成分溶出に関する試験方法の整理,問題点の抽出 国内外の溶出に関する試験方法を整理し,試験方法や指針の策定に問題となる各点を抽出した.具体的には,(1)環境庁告示第46号法は,構造物からの溶出を想定した試験方法としては実態を必ずしも再現していない,(2)試料溶液の分析方法において,高炉スラグ微粉末などの還元性を有するコンクリート材料の存在により,分析結果が変化することなどを明らかにした. (3)セメント系水和物による六価クロムの固定・溶出メカニズムに関する検討 六価クロムはモノサルフェートの結晶構造に取り込まれ,強く固定されているものと推察されることが判明した.また,カルシウムシリケート水和物と水酸化カルシウムは,六価クロムを表面において吸着しているものと思われ,固定する能力は低いことを明らかにした.さらに,エトリンガイトは六価クロムを全く収着しないことを明らかにした. (4)Cu^<2+>ならびにZn^<2+>のセメント硬化体からの溶出に関する検討 セメント硬化体からのCu^<2+>ならびにZn^<2+>の溶出量は,浸せきする溶液の温度の影響を受けるが,溶媒としてpHが4程度のものや脱イオン水を使用しても影響を受けないことが明らかとなった.
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