研究概要 |
本研究の主たる目的は,3つある。第1は,「学びの総合化」を検証し、カリキュラム改善するための手段として、生徒の自己評価に着目し、生徒の自己評価を考慮した技術カリキュラムを実践・開発する。第2は,自己評価データの収集及び分析活動を支援するための自己評価システムを開発することである。第3は,カリキュラム研究・開発を促進する視点から,生徒の自己評価を考慮した実践的な「カリキュラム開発モデル」を提案することである。平成14年度より16年度における研究成果の概要は,以下のように整理される。 1.授業改善研究支援システム(自己評価システム)の開発 上越教育大学学校教育学部附属中学校(以下,附属中学校)において,(1)無線LAN環境の構築,(2)携帯情報端末のセットアップ,(3)ソフトウエアの開発をおこなった。(1)及び(2)の無線LANの構築により,附属中学校のネットワーク環境の向上がはかられた。 2.生徒の自己評価を考慮した技術カリキュラム開発モデルの解釈と本システムの有効性 本システムを活用するとともに,授業者及び学習者の自己評価や内省を促す場面を授業中や授業後に設定することにより,カリキュラム評価を組織的かつ円滑に実施可能なカリキュラム開発モデルが構成できることが明らかにされた。 3.小中高一貫した技術教育課程基準の開発 実践研究及び比較技術教育課程研究の成果をふまえ,小学校・中学校・高等学校を一貫した「技術教育課程基準」の「学習事項」と「学習到達目標」を開発した。「学習事項」と「学習到達目標」のスコープは,「構想・設計学力」「表現・コミュニケーション学力」「総合的製品加工学力」「技術活動評価学力」「キャリア発達学力」の5つの学力とした。一方,学習事項のシーケンスは,4段階で構成した。
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