研究分担者 |
堀内 基広 北海道大学, 大学院, 教授 (30219216)
松井 高峯 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (40111116)
古林 与志安 帯広畜産大学, 畜産学部, 助手 (20301971)
品川 森一 動物衛生研究所, プリオン病研究センター, センター長
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研究概要 |
(1)プリオン蛋白の免疫組織化学的検出感度に関する研究 昨年度までに開発した免疫組織化学的高感度法とWB法の感度の比較を行った.スクレイピー帯広株脳内接種マウスを用いて経時的なプリオン蛋白の検出により比較を行った.WB法では30日目で脾臓に,60〜90日目に中枢神経系に異常プリオン蛋白が検出できた.一方,免疫組織化学的には脾臓は90日目,中枢神経系では120日目に検出可能であった.WB法ではマウス脾臓全量からの検出であるのに対して,免疫組織化学では約5μmの組織切片を使うことから単純な感度比較はできないが,免疫組織化学的方法は検出感度の点ではWB法に比較して劣ることが明らかになった.定量的な解析は現在実施中である. (2)パネル抗体による免疫組織化学コアエピトープに関する研究 市販されている抗体を含め,これまでに開発された17種類の抗体を用いて,抗体の種特異性について,抗体エピトープと動物種間のアミノ酸配列との関連から検討した.動物種のアミノ酸配列と抗体エピトープの不一致が抗体の種特異性を規定する場合と規定しない場合があった.特異性を規定しない場合には,動物種間差でみられるいくつかのアミノ酸の違いは反応性を左右しない.しかしながら,アミノ酸一つの違いが動物種差としての特異性を規定する場合や,同じ領域を認識する抗体にも反応性に差がみられた.このことから,免疫組織化学的抗原抗体反応は抗体のエピトープ領域全てが関与するのではなく,限定されたコア領域に依存する可能性があることが推察された.
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