研究課題/領域番号 |
14710348
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
英語・英米文学
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
中井 亜佐子 一橋大学, 大学院・言語社会研究科, 助教授 (10246001)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2004年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2003年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2002年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | ポストコロニアリズム / 英文学 / 批評理論 / ポストコロニアル / 英語文学 / サイード / ナショナリズム |
研究概要 |
2004年度はまず、前年に引き続きポストコロニアル文学・思想におけるhybridity(異種混交)の概念の批判的再検討を行った。1995年以降のhybridity批判にまつわる諸文献を整理し、特にイギリスにおける南アジア系移民のいわゆる「ニューウェイヴ」の文学・映像作品(Hanif Kureishi, Arundhati Roy)に注目し、これらの実践的テクストが、「人種」概念を奪用しつつ、現代におけるhybridity概念を再構築していることを分析した。また、現代日本語文学におけるhybridityについて、特に文体・言語的実験性が文化政治学と密接な結びつきにある点を考察した。これに関しては成果発表として、7月22〜24日ミュンヘン大ポストコロニアル研究科主催で開催された学会(New Hybridities : Societies and Cultures in Transition)で口頭発表を行った。 2004年度のもう一つの研究の柱は「自伝」(autobiography)である。自伝というジャンルは一般に、「個人が自発的に私を語ること」というロマン主義的な定義がなされているが、ポストコロニアルな自伝においては、しばしば個の表象である以上に共同体の表象であることが求められてきた。2004年度においては、ポストコロニアル自伝論の基礎段階として、1950年代以降のヨーロッパにおける自伝批評を概観し、ロマン主義的自伝観が「西洋」という概念と結びついていることを考察した後、Joseph ConradからEdward Saidにいたる20世紀の「多文化的」自伝の系譜の分析を行った。成果発表としては、9月21〜25日にポーランドのオポーレ大学で開催された学会(Conrad's Europe)で口頭発表を行った。
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