研究課題/領域番号 |
14730117
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
会計学
|
研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
中野 誠 一橋大学, 大学院・国際企業戦略研究科, 助教授 (00275017)
|
研究期間 (年度) |
2002 – 2004
|
研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
|
配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2004年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2002年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
|
キーワード | 価値関連性研究 / 年金資産 / 年金負債 / 年金費用 / 残余利益モデル / 退職給付会計 / Vlaue relavanceモデル |
研究概要 |
今年度は、以下の研究実績をあげることができた。第1に、前年から継続している「退職給付関連の財務データベース」を構築した点である。証券市場の株価データと、年金資産・年金負債・年金費用などの基本的データにとどまらず、それぞれの細目に関しても、日経225採用銘柄・東京証券取引所第一部上場企業を対象として、データを収集することができた。それを基にした実証研究では、退職給付債務の株価への効き方は、企業の財務特性によって異なる点が発見された。例えば、退職給付債務が大きくても、保有する有価証券・投資有価証券が大きい企業の場合、ネガティブな影響が相対的に小さいことなどがわかった。すなわち、それらの金融資産によって、積立不足が容易に解消可能な企業の場合、当該要因をも加味する必要がある。第2に、企業価値評価モデルについての整理をすることができた。その成果は、「ディスクロージャー戦略と資本市場」と題して、『一橋ビジネスレビュー』(第51巻第4号)に公表することができた。BSモデル、PLモデル、残余利益モデル、割引キャッシュフローモデルなどの基礎的な考え方、そして退職給付会計ファクターを組み込んだ場合の考え方などを検討した。第3の成果は、退職給付に関して著作『年金会計とストック・オプション』を公刊した点である。「企業年金のディスクロージャー」、「企業年金と企業評価」、「財務諸表分析と企業年金」、「企業年金会計基準の経済的影響」の4つの章を執筆した。この著書は、共著者とともに執筆した退職給付会計に関する包括的な書物であり、新規性も高いものと考えている。
|