研究課題/領域番号 |
15019023
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
高田 礼人 東京大学, 医科学研究所, 助手 (10292062)
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研究期間 (年度) |
2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
2003年度: 5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
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キーワード | フィロウイルス / 病原性 / 表面糖蛋白質 / 抗体依存性感染増強 / エピトープ / レクチン / 抗原提示細胞 |
研究概要 |
エボラウイルスの強い病原性に関わる因子は解明されていない。本ウイルスに対して効果的な予防・治療法を開発するためには、病原性発現のメカニズムを個体、細胞および分子レベルに至るまで明らかにする事が必要である。 エボラウイルスZaire株の表面糖蛋白質(GP)に対する抗体の中には、マクロファージ等の細胞で抗体依存性感染増強現象を引き起こすものがある。合成ペプチドおよびキメラGPを用いて、これらの抗体が認識するエピトープの同定を行った結果、少なくとも4箇所の異なるエピトープの存在が明らかになった。 マクロファージや未成熟樹状細胞に発現し、galactoseおよびN-acetylgalactosamineに特異的に結合するC-typeレクチン(hMGL)を培養細胞に発現させると、エボラウイルスの感染性が上昇する事を発見した。hMGLはエボラウイルスGP分子上のO-linkの糖鎖を認識している事が示唆された。 マクロファージおよび樹状細胞等の抗原提示細胞にエボラウイルスが感染する事によって起こる免疫応答の異常が本ウイルス感染の病原性に深く関わっていると考えられている。本ウイルスはこれらの細胞に効率よく感染するために、抗体、補体あるいはレクチンを利用し、ウイルスレセプターへの吸着効率を上げると考えられる。従って、これらの因子が本ウイルスの病原性発現において重要な役割を演じている事が推察される。 マクロファージおよび樹状細胞等の抗原提示細胞にエボラウイルスが感染する事によって起こる。免疫応答の異常が本ウイルス感染の病原性に深く関わっていると考えられている。本ウイルスはこれらの細胞に効率よく感染するために、抗体、補体あるいはレクチンを利用し、ウイルスレセプターへの吸着効率を上げると考えられる。従って、これらの因子が本ウイルスの病原性発現において重要な役割を演じている事が推察される。 (注)実際のエボラウイルスを用いた実験は、Heinz Feldmann博士の協力でカナダの国立研究施設Canadian Science Centre for Human and Animal Healthで行った。
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