研究課題/領域番号 |
15029224
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
金子 武嗣 京都大学, 医学研究科, 教授 (90177519)
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研究分担者 |
藤山 文乃 京都大学, 医学研究科, 助手 (20244022)
古田 貴寛 京都大学, 医学研究科, 助手 (60314184)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
2004年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2003年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
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キーワード | ニューロキニンB / ニューロメディンK / プレプロタキキニンB / 背側線条体 / 側座核 / 嗅結節 / 投射ニューロン / 無名質 |
研究概要 |
運動系の高次中枢の一つである線条体において神経回路の研究を進めるために、我々は線条体投射ニューロンを免疫学的に識別する手段を開発してきているが、特にNeurokinin B (Neuromedin K)の前駆体であるPreprotachykinin B (PPTB)のC末端に対する抗体を用いて、(1)新線条体には線条体黒質/淡蒼球内節系・線条体淡蒼球外節系以外に今までに報告されていなかった第3の線条体無名質投射系が存在し、(2)この系のみがPPTBを産生してNeurokinin Bを利用していることを明らかにしてきた。本年度はこの研究を以下のように進展させている。 1.腹側線条体にも同様な第3の投射系が存在するかどうか検索した。腹側線条体の側座核にはPPTB陽性のニューロンが存在し、mu-opioid receptor陽性のcell cluster (CC)を形成し、latera lstripe of the striatum (LSS)と連続していることを見出した。さらに、これらのPPTB陽性ニューロンは、無名質を中心に投射しており、それぞれLSSはmedial part of interstitial nucleus of he posterior limb of teh anterior commissure (IPACm)に、LSS-associated CCはbasal component of SI (SIb)に、non-LSS-associated CCはventral part of sublenticular component of SI (SIsl)に投射することを明らかにした。背側線条体のPPTB陽性ニューロンがdorsal most part of SIslに投射していたことを考えると、背側・腹側線条体ともに無名質への第3の投射系が存在していることになる。 2.NK3 receptor (Neurokinin Bの受容体)を発現している無名質ニューロンについて、形態学的・電気生理学的に検討した。NK3発現無名質ニューロンのほとんどはGABA作動性ニューロンであり、大脳皮質へ投射していた。コリン作動性の無名質大脳皮質投射ニューロンと比べると、やや小型で、投射部位についてもコリン作動性ニューロンと違って、感覚系皮質よりは運動皮質により多く投射していた。大脳皮質へ投射するニューロンをホールセルクランプ法で調べたところ、その一部にNK3 agonistに反応するものがあり、膜抵抗が下がって膜電位が上昇する反応が認められた。したがって、NK3受容体はnon-selective cation channelを活性化しているのであろうと推測された。
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