研究課題/領域番号 |
15520231
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
各国文学・文学論
|
研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
星名 宏修 琉球大学, 法文学部, 助教授 (00284943)
|
研究期間 (年度) |
2003 – 2005
|
研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
|
配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2005年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2004年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2003年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
|
キーワード | 大東亜戦争 / 皇民化 / 優生学 / 国語 / 原住民 / 都市化 / コロニアルモダニティ / 大稲〓 / 犯罪 / 探偵小説 / 大衆化 / 蕃人 / 高砂義勇隊 / 理蕃政策 / 文芸台湾 / 河野慶彦 / 在台日本人 / 「国語」教育 / 植民地主義 |
研究概要 |
1990年代以降、台湾や日本において、日本植民地時代の台湾に関する研究が進み、文献資料が数多く発掘・復刻されるようになってきた。これらの資料を活用し、植民地期の台湾文学の全体像を把握することは、日本におけるポストコロニアル研究にとって、不可欠の意味を持つ作業である。 本研究は、こうした問題意識のうえで、「大東亜戦争」期に執筆された数多くの「皇民文学」を総合的に調査・検討することを目的とした。台湾においては、台湾人文学者の営為が着目されがちであることに鑑み、在台日本人の文学活動に重点を置き、彼らの「帝国のまなざし」を明らかすることと、台湾に数多く居住しながらも、日本人社会の中でマイノリティーに位置づけられた、沖縄出身者をめぐる表現も重要なテーマとして設定した。 本研究では、「大東亜戦争」期の「皇民文学」を、マクロな視点から切り取ることに留意した。研究の成果として、植民地の「国語」と植民者の「善意」に焦点を当てた論文「<共感>の「臨界点」-徳澄晶の作品を読む」や、原住民に対する表象を論じた「「兇蕃」と高砂義勇隊の「あいだ」-河野慶彦「扁柏の蔭」を読む」を発表することができた。 また、さらに幅広く植民地期の「皇民化」「混血」「優生学」などに関する言説と、小説テクストの分析を交差させて論じたものとして、台湾で発表された「血液」的政治學-閲讀台灣「皇民化時期文學」」をあげることができる。 このほかにも、「台湾文学」をどのようなものとして定義し、いかなる可能性を秘めた存在だと考えるのか。また「中国文学」との関係は、どのようなものなのかを考察した「「中国二〇世紀文学」にとって「台湾の文学」とは」を執筆した。
|