研究課題
基盤研究(C)
本研究では、ヒトの内在性レトロウイルスの病原性を明らかにするため、樹立したヒト内在性レトロウイルスHERV-R遺伝子のトランスジェニックラット(HERV-Rラット)をモデルとして、導入HERV-R遺伝子のEnv蛋白発現やその抗原性について検討を行った。その結果、以下の成果を得た。1)導入遺伝子は予測された8個の糖鎖を有する85kDaのEnv糖タンパクとして発現し、ホルモン標的組織であるハーダー腺や前立腺ほか表皮、唾液腺など組織特異的に発現を示すことが明らかになった。2)トランスジェニックラットから正常ラットへの皮膚移植を用いて検討を行った結果、約50日後にその多くが脱落し、免疫の標的分子になっていることが明らかになった3)HERV-Rラットと、別に樹立した自己免疫疾患のプロトタイプであるヒト感染性レトロウイルスHTLV-1の遺伝子導入ラット(env-pXラット)とのダブルトランスジェニックラットを作製し、自己免疫疾患発症ラットにおける内在性レトロウイルスの発現と病態修飾、疾患発症の有無について検討した。その結果、ダブルトランスジェニックラットではラットの生存期間が短縮傾向にあり、HERV-R抗原の高発現が観察されるハーダー腺へのIgM型自己抗体の沈着や腎糸球体の血栓形成が観察された。4)以上の結果から、自己免疫疾患において内在性レトロウイルスの抗原発現が病態を修飾している可能性が考えられた。
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