研究課題
萌芽研究
本申請者は紫外線で眼を局所照射すると三叉神経・視床下部・下垂体プロオピオメラノコルチン系を介して全身のメラニン合成が亢進すると同時に、皮膚や腸粘膜の免疫活性が著変すること、iNOS^<-/->マウスでは両現象が起こらないこと、及び特定の可視光線で同時照射すると両現象が著しく増強して皮膚や腸管粘膜のアレルギー病態が増悪することを発見した。本研究は、(A)光脳免疫統合系の分子機構、(B)脳を介する皮膚・消化管粘膜の免疫応答変化の医学的意義、及び(C)本統合系制御による皮膚・消化管粘膜アレルギー病態の軽減法の開発を目指して行われた。解析の結果、目を紫外線照射すると視床下部・下垂体系と自律神経系を介して全身の免疫系が制御される事、この経路にNOが関与すること、皮膚と消化管粘膜でTh1係が抑制されると同時にTh2系が活性化されて粘膜でIgAやIgEの産生分泌が亢進すること、および応答反応により皮膚や粘膜のアレルギー病態が大きく修飾されることが判明した。目の表層組織から三叉神経・視床下部を介するシグナルにより皮膚と消化管粘膜でのアレルギー病態が著明に変化することが判明した。その臨床的意義の解明と制御法の開発を目指して現在様々な実験を行っている。解析の結果、ダニ感作性アトピー性皮膚炎、Th1型アレルギー反応、およびTh2型のアレルギー病態が味覚や嗅覚の刺激により大きく影響される事が明らかになった。この所見を基に粘膜アレルギー病態の予防治療法の開発を試みている。
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