研究分担者 |
宮内 正二 北海道大学, 大学院薬学研究院, 助教授 (30202352)
菊川 峰志 北海道大学, 創成科学研究機構, 助手 (20281842)
鷲見 正人 北海道大学, 大学院薬学研究院, 助手 (30281819)
奈良 敏文 北海道大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (30241350)
|
配分額 *注記 |
14,800千円 (直接経費: 14,800千円)
2006年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2005年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2004年度: 7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
|
研究概要 |
生体膜を介する諸機能において,蛋白質複合体で機能する例は多くある.その1つの例として,本研究では高度好塩菌の走光性の受容体(フォボロドプシン,または,センソリーロドプシン)および受容体とトランスジューサ蛋白との相互作用の研究を行った.受容体とトランスジューサは共に膜蛋白である.得られた結果は次の通りである. 1.微生物ロドプシンでは,シッフ塩基の近傍に存在するアルギニンは完全に保存されている.このアルギニンの変異体を作成し,この残基の役割を検討した. 2.容体が光を受けると,Fヘリックスのコンフォメーションが変化することを示した. 3.FTIRの結果から,受容体分子の中の水分子の水素結合が変化することを示した. 4.固体NMRの手法を用いて,トランスジューサのダイナミクス変化が,受容体であるフォボロドプシンと結合すると変化することを示した. 5.酸化スズの透明電極を用いて,フォボロドプシンの光照射に伴うプロトンの移動を調べ,Asp193からプロトンが放出される事およびこの残基のpKaがトランスジューサとの結合によって変化することを示した. 6.トランスジューサの細胞質内の可溶性部分が受容体であるフォボロドプシンと相互作用していることをしました. 7.両膜蛋白は膜内で3本の水素結合で相互作用していることを,変異体の結合実験から示した.また,両蛋白のvan deer Waals相互作用も結合に重要であった. 8.フォボロドプシンやハロロドプシン(光駆動クロライドポンプ)は単独では,プロトンやクロライドイオンを能動輸送するが,トランスジューサと結合させるとイオンポンプ能を失う. 9.ハロロドプシンは光駆動クロライドポンプである.従って,クロライドを結合する能力があるが,その解離定数を等温滴定型熱量計で求め,また,結合に重要な残基を同定した.
|