研究課題/領域番号 |
16580261
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
臨床獣医学
|
研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
佐藤 れえ子 岩手大学, 農学部, 教授 (80142892)
|
研究分担者 |
内藤 善久 岩手大学, 農学部, 教授 (40003785)
安田 準 岩手大学, 農学部, 教授 (20142705)
稲波 修 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助教授 (10193559)
寺口 進 森永乳業栄養科学研究所, 基礎科学研究室, 室長
|
研究期間 (年度) |
2004 – 2006
|
研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
|
配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2006年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2005年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2004年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
|
キーワード | ラクトフェリン / ネコ免疫不全ウイルス(FIV) / 免疫不全 / 慢性炎症 / ネコ / リンパ球幼若化能 / インターフェロンγ / サイトカイン / PBMC / IFN-γ |
研究概要 |
1)ラクトフェリン(LF)の経口投与がFIV感染ネコのリンパ球機能に与える影響 健康ネコと各ステージのFIV感染ネコの末梢血リンパ球の幼若化能にLFが及ぼす影響を検索した.LHは経口投与では、感染ネコならびに健康ネコの両方で、そのリンパ球幼若化能を低下させた.次ぎに分離した末梢血リンパ球にLFを添加培養した場合には、感染ネコと健康ネコの両方で経口投与の場合と同様に、その幼若化能を抑制することが明らかとなった. 2)ConAおよびウシLFがネコ末梢血単核球におけるサイトカインmRNAの発現に及ぼす影響 分離したFIV陰性ならびに陽性ネコ末梢血単核球にConAを添加後、IFN-γ、IL-1β、TNF-αおよびIL-12 p40 mRNAの発現を半定量的RT-PCR法にて測定した。ConA刺激4時間後に初めてIFN-γ mRNAの強い発現の誘導が認められたが、IL-1β、TNF-αおよびIL-12P40mRNA発現は、ConAによって増強されることはなかった。次に、上述の半定量的RT-PCRの結果を確かめるために、ConA誘導IFN-γ mRNAの発現の定量を行うリアルタイムRT-PCR法を確立した。FIV陰性ネコ群においても、ConA刺激によるIFN-γの発現誘導は全ての個体の末梢血単核球において観察された,またConA刺激後のさまざまな時間にウシLFを末梢血単核球へ添加したところ、ConA刺激30分前だけでなく、刺激後10、20、40分でも末梢血単核球におけるConA誘導IFN-γの発現を著しく抑制することが明らかとなった. 3)ConA誘導IFN-γ mRNAの発現に対する末梢血単核球の細胞内シグナル伝達経路の関与 ConA誘導IFN-γ mRNAの発現には、PTKおよびERKシグナル伝達経路の活性化が必要であることが示され、40分までにはそのシグナル伝達が完了していることが明らかとなった。加えて、ConA誘導IFN-γ mRNAの発現は、SAPK/JNKあるいはp38シグナル伝達経路を介していないことが明らかとなった。 以上のように、ウシLFはFIV感染によって慢性炎症を示すネコのリンパ球機能とサイトカイン産生を健康ネコの場合と同様に調節することが明らかとなった.リンパ球幼若化能の抑制や、IFN-γ産生抑制が直接的な抗炎症効果と密接に結びついているものと考えられた.
|