研究課題/領域番号 |
16730046
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
民事法学
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
酒井 太郎 一橋大学, 大学院・法学研究科, 助教授 (90284728)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 取締役 / 取締役会 / 法令遵守 / コンプライアンス / 内部統制 / 注意義務 / 監視義務 / ゲートキーパー |
研究概要 |
小規模閉鎖会社を除き、一定の人員と規約等からなる組織を通じて企業内法令遵守体制の整備を図っている会社はそれほど珍しくなくなり、むしろ、こうした仕組みにより違法行為等の事実及びその危険性が取締役会に伝達されたときに、取締役会がいかなる行動をとれば注意義務(監視義務)を果たしたものといえるかどうかに議論の中心が移りつつある。平成17年度の研究では、この問題に関連して米国デラウェア州会社法判例の最近の傾向を調査分析した(具体的には、研究計画のBに関連する)。その結果、取締役の監視義務違反を問うためには、明白な警告情報を無視したなど非難可能性の高い場合が念頭に置かれており、会社法上は責任追及が難しいことが判明した。そして、設置すべき体制の中身については、会社判例において相当とされる実務慣行を念頭に、サーベンス・オクスリー法(SOX法)が個別具体的に開示内容につき規定を行っているという連携関係も明らかになった。しかし、開示書類において適切な体制であると評価するためには客観的基準が必要であるとの指摘も多い。そこで、内部統制監査の一環としてSOX法の実務において一般にいかなる評価基準と手続が用いられているかを調査し検討した。 平成17年度の後半期において、日本法への示唆となるべき検討作業を行った。具体的には、(1)法令遵守体制を含むリスク管理システムの概念とその変遷、(2)商法および会社法において体制整備の任にあたるべき者、(3)責任追及の法的根拠(善管注意義務違反、不実開示等>、(4)因果関係ある損害の範囲、(5)過失の認定基準について、議論を整理し分析を行った。 これらの成果は、論文として公表される予定であるが、平成18年10月の日本私法学会(於大阪市大)において、ワークショップ「内部統制」の報告を担当することとなったので、この機会を利用して本研究の成果の一部を発表することとした。
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