研究課題/領域番号 |
16760239
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電子・電気材料工学
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
佐藤 威友 北海道大学, 量子集積エレクトロニクス研究センター, 助教授 (50343009)
|
研究期間 (年度) |
2004 – 2005
|
研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
|
配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2005年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2004年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
|
キーワード | 分子線エピタキシャル成長 / 量子ナノ構造 / III-V族化合物半導体 / 選択成長 / 表面不活性化技術 |
研究概要 |
本研究の目的は、化合物半導体低損傷プロセスによる高密度量子ナノ集積構造の形成手法と、その表面および界面のナノスケール制御手法を開発し、量子集積回路実現のための基礎技術を確立することである。平成17年度の研究成果は以下のようにまとめられる。 1.分子線エピタキシャル成長法(MBE)により、ガリウム砒素(GaAs)(111)B加工基板上へGaAs/AlGaAs量子細線構造の選択的成長を行い、その形成メカニズム/サイズ制御性について調べた。成長温度、材料組成を系統的に変えて行なった一連の実験結果と、吸着原子の拡散方程式に基づく成長シミュレーションの結果から、加工基板が持つ結晶面方位の違いや材料原子の種類により、表面吸着原子の拡散/取り込まれ寿命が異なり、その表面拡散論的な成長機構により、GaAs細線の断面形状が説明されることがわかった。これらの結果を基礎とし、GaAs細線の位置とサイズを数nmオーダーの精度で制御することを可能にした。また、シミュレーションにより得られた成長条件を使って、断面が1辺40nmの三角形となるGaAs細線を実験的に作製することにも成功した。 2.上で開発した成長シミュレーションプログラムを、窒化ガリウム(GaN)(0001)加工基板上への選択成長に適用した。Ga原子とAl原子に対して適切な拡散係数と表面取込み寿命を設定することにより、材料組成、結晶面方位など成長条件を変えて作製したGaN/AlGaN量子細線構造が、同一のパラメータのもと、計算により非常に良く再現できることが分かった。 3.電気化学的手法を用いて、InP(001)、(111)A、(111)B基板にポーラス(多孔質)構造を形成し、構造および光学的特性の評価を行なった。孔の形状および大きさは、印加電圧と電解液の濃度に強く依存し、(001)基板を用いた最適な条件では、1辺80nmの四角形の孔が三角格子上に配列し、深さ方向への直線性が極めて優れていることが分かった。孔の形成の後に残された半導体の壁は、六角形状のネットワークとなり、最大10^<10>node/cm^2の密度を達成することができた。
|