研究課題/領域番号 |
17202025
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
文化人類学・民俗学
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
津波 高志 国立大学法人琉球大学, 法文学部, 教授 (90128489)
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研究分担者 |
池田 榮史 (池田 栄史) 国立大学法人琉球大学, 法文学部, 教授 (40150627)
町田 宗博 国立大学法人琉球大学, 法文学部, 教授 (10145518)
石田 肇 国立大学法人琉球大学, 医学部, 教授 (70145225)
後藤 雅彦 国立大学法人琉球大学, 法文学部, 准教授 (30291553)
稲村 務 国立大学法人琉球大学, 法文学部, 准教授 (50347126)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
21,190千円 (直接経費: 16,300千円、間接経費: 4,890千円)
2007年度: 7,280千円 (直接経費: 5,600千円、間接経費: 1,680千円)
2006年度: 7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
2005年度: 6,890千円 (直接経費: 5,300千円、間接経費: 1,590千円)
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キーワード | 人類学 / 文化人類学 / 考古学 / 地理情報システム(GIS) / 民俗学 / 奄美諸島 / 聖地 / 葬地 / 地理情報システム |
研究概要 |
津波高志は、仲松弥秀説を咀嚼し超えるために、主に与論島で風葬墓と洗骨改葬を集中的に調査した成果を報告した。与論島において風葬は明治の初め頃に禁止されたが、風葬墓は現在でも子孫達との繋がりを失っておらず、また、洗骨改葬は今日でも盛んに行われており、それらに関する聞き取り・観察を行った。また、奄美諸島を中心とする近代の墓をデーターベース化し、事例として徳之島・沖永良部・与論・久米島から一例ずつ選択した。大量の個人情報を含むため、直ちに一般公開には至らないが、今後の問題として、それが可能な方策を考えたい。 後藤雅彦・池田栄史は、徳之島伊仙町の二つの点に関する報告をした。一つは、伊仙町字面縄における伝承でアジバカ(按司墓)と称される聖地および周辺の実測し、実測図を作成した結果、聖地の核となる丘陵の最高所は石積みされたチンシ墓(積石墓)であることが判明した。また、土地で神様とされ、一部の研究者が墓であるとしたアムト神と称される聖地についての発掘し、その結果近世以降を主とする陶磁器類が出土し、葬墓ではないことが明らかとなった。 石田肇は、久米島の近世墓の人骨121個体の頭蓋形態小変異を調査し、近隣の人類集団と比較した。比較の結果、沖縄は、本島、奄美、先島、久米島と一つにまとまり、弥生時代人を始めとして、本土日本集団とともに、南中国や東南アジア集団との類似も見られた。これは、近年の遺伝学的研究でも言われているように、先史時代から歴史時代にかけて、本土日本からのみならず、南方からの遺伝的影響を受けている可能性を示唆する。 土肥直美は、平成17年度に徳之島で調査を行い、葬地の情報収集に努めた。奄美諸島の主な人骨出土遺跡を表に示し、近現代人の研究報告を文末に掲載している。土肥は南西諸島における人類史解明を目指し、奄美・沖縄諸島まで枠を広げ、人骨調査と情報の収集を目指しその分析の準備を進めている。
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