研究分担者 |
藤沼 康実 国立環境研究所, 地球環境研究センター, 推進室長 (10219032)
小熊 宏之 国立環境研究所, 地球環境研究センター, 主任研究員 (10342734)
梁 乃申 (梁 及申) 国立環境研究所, 地球環境研究センター, 主任研究員 (50391173)
犬飼 孔 国立環境研究所, 地球環境研究センター, アシスタントフェロー (70391068)
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配分額 *注記 |
16,220千円 (直接経費: 14,900千円、間接経費: 1,320千円)
2007年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2006年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2005年度: 6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
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研究概要 |
北海道苫小牧市のカラマツ人工林(樹齢約45年の植林地)は,2004年9月の台風18号により風倒壊被害を受けた。台風による大規模攪乱は,林内環境や植生に大きな変化を与え,森林の炭素循環および炭素蓄積を変化させる。本研究では,植生が回復過程にあるカラマツ林跡地において現地調査を行い,台風による大規模環境撹乱がカラマツ林生態系の炭素動態に与える影響を明らかにすることを目的とした。 微気象学的方法(渦相関法)および大型の自動開閉チャンバーを用いて連続測定したCO_2フラックスを基に,生態系呼吸量(RE),生態系光合成量(GPP)および生態系正味CO_2吸収量(NEP=GPP-RE)の季節変化,経年変化および環境応答特性を評価した。成長期間(6月13日〜11月12日の5ヶ月間)のRE,GPP,NEPの積算値は,倒壊前の森林(2001〜2003年の平均)でそれぞれ1125, 1370, 245 gCm^<-2>,倒壊2年後(2006年)にそれぞれ711, 607, -104gCm^<-2>,倒壊3年後(2007年)にそれぞれ664,622,-42gCm^<-2>となった。したがって,2004年の台風被害により,カラマツ林はCO_2の吸収源から放出源に変化し,エゾイチゴなどの潅木や草本を中心とした植生の回復にともない,徐々に吸収源に戻りつつあることがわかった。なお,2007年のREのうち,土壌呼吸と残置された切り株の分解の寄与は,それぞれ34%,2%であることがわかった。
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