研究課題/領域番号 |
17520140
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ヨーロッパ語系文学
|
研究機関 | 小樽商科大学 |
研究代表者 |
鈴木 将史 小樽商科大学, 言語センター, 教授 (20216443)
|
研究期間 (年度) |
2005 – 2007
|
研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
|
配分額 *注記 |
2,050千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 150千円)
2007年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2006年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2005年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
|
キーワード | 独文学 / 祝典劇 / 記念碑 / 人文主義 / クライスト / ヘルマン / 国民劇場 / ゲルマニア / ドイツ愛国精神 / モニュメント / 近代ドイツ |
研究概要 |
本研究は、近代ドイツにおける精神的モニュメント(祝典劇)及び物質的モニュメント(記念碑)を有機的に関連させながら並行して研究するものである。17年度は、ドイツ宮廷記念碑からドイツ近代国民記念碑への過渡的モニュメントであるベルリンの「フリードリヒ大王記念像」、ドイツ近代国民記念碑の嚆矢と目されるベルリンの「クロイツベルク記念碑」及び、国民記念碑の象徴とされるデトモルトの「ヘルマン記念像」を採り上げ、それらの分析からドイツ近代国民記念碑の諸特徴を抽出することができた。18年度は主に祝典劇分野について研究を進めた。ドイツにおける祝典劇は、15世紀末から16世紀にかけて興隆した人文主義時代にその胎動が認められる。その先駆者はロイヒリン、ロッヒャー、ツェルティスといった代表的人文主義者たちで、とりわけロッヒャーは当時の神聖ローマ皇帝マクシミリアンI世を賛美する『フランス王国物語』で宮廷祝典劇の原型を創出し、ツェルティスは、『ディアナ劇』により早くも宮廷祝典劇の完成型を世に送り出した。これらの祝典劇の成立背景を18年度は考察した。19年度は更にバロック時代まで下り、ローエンシュタイン『アルミニウス』、J.E.シュレーゲル『ヘルマン』に見受けられる「宮廷祝典劇」から18世紀半ばに設立され出す「国民劇場」により出現が期待された「国民祝典劇」的要素を分析し、19世紀初頭に書かれたクライスト『ヘルマンの戦い』に見られる純粋「国民祝典劇」的側面を探り出した。結論として、このクライスト作品には、従来の祝典劇が抱く致命的なジレンマ「愛国精神の表現と文学性の追求」が高いレベルで解消されているとした。
|