研究概要 |
製品設計から製造において,CAD, CAE, CAM, PDM, CNC工作機械などといったデジタルツールへの依存が増加している.そこで,近年のグローバル生産システムにおいて日本の優位性を保つためには,これらデジタルツールに基づき,加工不具合の迅速対応や,加工結果の正当な判断が可能となるトレーサブルな加工システムの確立が重要となる.しかしながら,現在のCAMからの出力データでは,NCデータ,図面,加工工程表など情報に関連性が無く,しかも意味的情報が無いため理解が困難となり,トレーサブルにならず,ヒューマンエラーの原因にさえなっている.その解決方法としては,技術的な意味情報であるフィーチャ情報,加工作業情報,工具情報・素材情報・加工機械情報などを統合し,関係付けを行い,一つのデータ構造で表現することが必要となる.本研究では,そのような要件を満たすモデルをセマンティック加工情報モデルとして提案した.セマンティック加工情報モデルは,EXPRESS, EXPRESS-X, Part28といったSTEP技術を応用してXMLで保存される.また,セマンティック加工情報モデルに基づくシミュレーションシステムや加工システムを開発した. さらに,従来のCAMシステムと提案システムのインタフェースシステムを開発した.すなわち,セマンティック加工情報モデルの基本要素であるworkingstepは,形状創成関数に基づきNCデータから抽出された加工フィーチャ情報,加工作業情報から生成できることを示した.
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