配分額 *注記 |
27,950千円 (直接経費: 21,500千円、間接経費: 6,450千円)
2007年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2006年度: 6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
2005年度: 15,470千円 (直接経費: 11,900千円、間接経費: 3,570千円)
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研究概要 |
細胞の力学情報伝達機構を知ることは細胞の生理・病理を知る上で非常に重要である.力学刺激が実際に細胞内でどのように伝達されているかに関してはその計測の困難さからほとんど解明されていない.本研究では細胞内で力学刺激が伝達していく過程を明らかにするため,ピペット吸引法とFRAP技術を組み合わせて力学刺激に対する細胞骨格構造の変化を蛍光画像として追跡し画像解析により細胞内の力学環境を定量的に把握することを目的とする.またセカンドメッセンジャーの一つであるカルシウムイオン濃度の変化を同時にイメージングすることにより骨格構造変化との相関関係を調べる.本年度においては,FRAP技術を用いてピペット吸引時の軟骨細胞におけるアクチン分子の拡散の様子を詳細に調べた.その結果,ピペット先端において吸引直後はアクチンコーティカルレイヤーが分解され,その後,アクチンの再重合が促進されていることがわかった.また,このプロセスはカルシウム依存でありカルシウムが存在しない場合には,アクチンの脱重合が引き起こされにくいことが示唆された.さらに,ピペット吸引時において力学刺激が細胞内をどのように伝達していくのかを観察するために,ミトコンドリアの染色画像より画像相関法を用いて細胞内ひずみ分布を得た.その結果,吸引直後は細胞周囲のアクチンコーティカルレイヤーを介して細胞全体に力学刺激が伝達される様子が明らかとなった.以上のことから,ピペット吸引による局所力学刺激が細胞のリモデリングを引き起こす一連のプロセスの中に,アクチンリモデリング,カルシウム応答および細胸内ひずみ状能がどのように関与していろかを明らかにした.
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